12月8日午後11時15分ごろ発生した、青森県東方沖を震源とする地震。
震度5強の揺れに襲われた北海道函館市では、ただちに津波への対応が始まりました。
「津波注意報が発表されました。海岸に近づかないでください」(防災無線のアナウンス)
「高台には多くの車が避難してきており、奥まで車列が続いております」(阿部空知記者)
北海道の太平洋沿岸に津波警報と津波注意報が発表され、多くの人が避難先で不安な冬の夜を過ごしました。
「津波が大きいものが来ると困るので、それだけなければ。あとは余震が今後も続いたら困りますね」(高台に避難をした市民)
「23時40分から大通、麻生区間運転となっています」(地下鉄駅員アナウンス)
札幌も震度4の揺れに襲われました。
地下鉄は遅れのほか、一部で折り返し運転となりました。
市内のビルではエレベーターの閉じ込めも発生。
閉ざされた空間で不安な時間を過ごしました。
「かなり揺れている感じで、ちょっとやばいなと思って。電気が消えてもしかしたら大きい地震なのかなという感じで」(エレベーターに閉じ込められた人)
震度5弱を観測し、津波警報が出された日高の浦河町では、飲食店でビンが割れる被害が発生しました。
けが人も相次ぎました。
道などによりますと、日高町で70代の女性が避難の際に転倒し、骨折するなど、合わせて12人がケガをしました。
一夜明け、震度5弱を観測した日高の様似町では…
「こちらの建物では外壁に大きな穴が開いていて、一部の壁がはがれ落ち、内部が露出しているようです」(板橋未悠アナウンサー)
さらに町内のアウトドアショップでは、商品の釣り具が散乱しました。
「落ちないようにガードはしているが、このガードを振り切って落ちてきたのが何本もあった。それだけ激しい揺れだったんだと思います。小さいものも床に落ちてきたのがあった」(アウトドアプラザハヤサカ 早坂直起さん)
津波警報を受けて避難した早坂さんが店に戻ると、多くの商品が落ちていました
12月9日は片づけをしながら通常の営業をしました。
「今回を機に落下防止の対策を強化したい」(早坂さん)
気象庁はこの地震を受け、「後発地震注意情報」を初めて発表しました。
「30秒くらい地震が起こると、必ず余震と呼ばれるものが起こる。余震のことを後発地震後で起こる地震と呼んでいます」
「だいたい100回に1回くらいの割合で”本震”、最初に起こった地震よりも大きな地震が発生する事例があると知られています」
「その1つが東日本大震災。大きな地震の2日前に一回り小さな地震が起こっていた」(北海道大学 地震火山研究観測センター 高橋浩晃教授)
今後、1週間程度は注意が必要な後発地震。
今一度、冬の災害に十分な備えが必要です。