紅白のめでたい色合いから、正月のおせちに欠かせないのが「エビ」です。愛媛県今治市菊間町では、実はエビの陸上養殖への挑戦が6月から始まっています。『ブランド化でエビの町へ』、地域おこし協力隊の男性の夢を追いました。
今治市菊間町にある築50年の一軒家。部屋の中にある水槽をのぞくと、たくさんのエビが元気一杯泳いでいました。
藤原敏光さん:
「頭なでられるんですよ、逃げないんですよ」
愛情を込めてエビに餌付けをしているのは、2025年4月から今治市の地域おこし協力隊のメンバーとして活動している藤原敏光さん(55)。徳島県出身で機械のエンジニアとして長年働いてきた藤原さんは、その技術力を生かして今、菊間町でエビの陸上養殖に挑戦しています。
養殖しているのは中南米原産でクルマエビ科の「バナメイエビ」。バナメイエビは成長が早く丈夫なことから現在、世界シェアは8割以上を占め、日本国内で消費されるエビの大半が海外で養殖されたバナメイエビなんです。藤原さんは、薬品などを使わない安心安全な環境で、バナメイエビの養殖技術を確立しようと、6月から陸上養殖に取り組んでいます。
藤原敏光さん:
「もともと今治って地域おこしやブランディングもそうですし、あと移住者に対しての受け入れ態勢も、強く推進されてるという認識がありまして、この今治の地で何もないところから、一旦生み出すことをやってみる価値があるんじゃないかなと思って、今治を選びました」
水槽で育てているエビの数は約1万匹。15センチほどに育てたエビを、9月から市内の飲食店に試験的に販売しています。その評判は。
割烹三五郎女将・渡部富美子さん:
「うちでは焼くことと、あと(旬の野菜との)炊き合せに入れています。とても評判もよくて、やはりおいしい、頭から食べられる。今がんばって料理のなかに必ず一品は入れるようにしています」
身はプリっと、さっぱりしながらうまみのある藤原さんのエビは上々の評判。今後の目標はこの養殖技術を確立した上で、地元から養殖への参入を増やし、「菊間のエビ」としてブランド化を図ることです。
藤原敏光さん:
「地域の方々にも生産者になっていただき、ブランディングを一緒にやって行く。そうすることで『菊間のエビ?』『菊間でエビ?』みたいな全国的に菊間の名前が、エビというキーワードで知らしめられるような」
菊間が「エビの町」と呼ばれることを夢見て、藤原さんは汗を流しています。
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