旧統一教会の田中富広会長が辞任を表明しました。

9日午後4時すぎ、世界平和統一家庭連合、「旧統一教会本部」で記者会見を開いた田中富広会長。

【田中会長】「私、田中富広は本日をもちまして家庭連合の会長職を辞することを責任役員会の承諾の上、ご報告を申し上げます」

教団を巡っては、安倍元総理銃撃事件をきっかけに多額の献金被害などが明るみになり、ことし3月、東京地裁が解散を命令。

教団側は即時抗告し、東京高裁での審理も先月、最終主張書面が提出され、終結しています。

■田中会長「家庭連合はいわゆる犯罪を犯したことは1件もありません」

田中会長は、解散命令の審理が終了したことや、高額献金の返金要求に対応する「補償委員会」を設置したことで、一連の対応に区切りがついたと強調しました。

【田中会長】「次世代への交代の機は熟していると、ご報告するとお伝えしていただいた。この裁判の審理が思いのほか長く続いたことが長引いた理由です。いわゆる重い審理を次世代の指導者に背負わせたくなかった」

そして被害を訴える人への「お詫び」の意味合いをこう説明しました。

【田中会長】「家庭連合はいわゆる犯罪を犯したことは1件もありません。処罰に繋がるような刑事責任、賠償につながる民事責任における枠組みを超えて、今回改めてお詫びと被害を訴える方がおられる。謝罪の意味を込めてお詫びした」

■元2世信者「直接的な犯罪じゃなくても助長はしてる」

この会見を信者の両親のもとに生まれた、関西在住の元「2世信者」が聞いていました。

【関西在住・元2世信者】「社会の評価とずれがある。自分たちのストーリーに落とし込むのが得意」

この男性は、両親が長年、生活に支障が出るほどの献金を繰り返し、両親におよそ1500万円の金銭的援助をしていました。

男性の両親はいまも信仰を続けているといいます。

田中会長が「法の枠を超えてお詫びする」としながらも「いわゆる犯罪を犯したことは1件もない」と述べたことについて…

【関西在住・元2世信者】「それはちょっと納得できない。直接的な犯罪じゃなくても助長はしてる。(2世信者は)無理やりやらされた人もいっぱいいるそんなこと一切してないというのはちょっと…」

(Q:教団幹部に言いたいことは?)
「本当に(教義が)正しいと思ってます?って聞きたい。自分たちの生活・立場のためにやってる部分も半分はあるのでは」

解散命令を巡っては、高裁は今年度内にも判断を示す可能性があり、裁判の行方に注目が集まります。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年12月9日放送)

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