青森・八戸市で8日夜に発生した震度6強の地震。
今回の地震では初めて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表され、対象地域の住民に警戒が呼びかけられています。

どのような備えをすればいいのか、地震学が専門の東京科学大学の中島淳一教授と見ていきます。

「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の対象地域は、北海道から千葉県まで182の市町村です。
すぐに避難してくださいということではなく、1週間程度、防災の対応をしっかりとってくださいと呼びかけるものです。

そして今後1週間で大規模な地震が発生する可能性は、平常時は約0.1%ですが10倍の1%まで高まっているということです。
ただこの情報は、地震を予知するものではなく防災を呼びかけるものということです。

青井実キャスター:
今後1週間程度、備えが必要だということですが、警戒はどれくらいまで必要でしょうか?

東京科学大学・中島淳一教授:
まず1週間というのが1つの区切りになると思いますが、これに科学的根拠があるわけではありません。
過去の例を見ますと、数日以内の場合もあったり、数カ月ということもあるので、1カ月ぐらいは注意していただくのが良いと思います。

実際にどんな備えが必要なのかということですが、具体的に見ていきます。

気象庁などは、通常の生活をしながら「避難グッズ」を日中は常時携帯することや、就寝時は枕元に置いていてほしいといったことを呼び掛けています。
避難グッズの中にマイナンバーカードや通帳、お薬手帳などを入れてほしいとしています。

そして、枕元に靴や避難グッズを置いたり、避難できる態勢で就寝をしてほしいとしています。
さらに子供や高齢者は同じ部屋で寝てほしいなどと呼びかけをしています。

そして八戸市の10日朝の最低気温は氷点下1度の予想になっていて、寒さ対策も重要です。

避難用持ち出し袋に入れておきたいものとして、毛布、アルミ保温シート、帽子・手袋、カイロ、厚手の衣類やレインコートなどをぜひ備えていただきたいということです。

青井実キャスター:
中島さん、基本的な対策とともに寒さ対策も必要になってきますね?

東京科学大学・中島淳一教授:
この時期は低体温症が非常に怖いので防寒対策、最大限にしていただきたいと思います。

また、雪国ならではの対策として、道路にすぐ出られるようにしてほしいということです。
家の周りの雪かきをできる間にしておくということ、大きな地震に備えて玄関から道路までの避難経路を確保していくことが重要だということです。

青井実キャスター:
山口さん、日常の生活をしながら備えもするというかなり厳しい状況ですが、その辺りどうみますか?

SPキャスター・山口真由氏:
できることも多いと思うんですよね。特に積雪時の避難は時間がかかるので、それを確認しておくこと。
最悪と言われる真冬かつ深夜に備えるということも必要かなと思います。

青井実キャスター:
今発表されている地域以外の方も警戒した方がいいですか?

東京科学大学・中島淳一教授:
今回の地震が南海トラフ地震を誘発することはまず考えられません。ただ、対象となっている地域に関しては、日ごろの備えを今一度確認していただく機会にしていただくのはいいと思います。

青井実キャスター:
ただ1週間程度といわれても、実際にいらっしゃる方はかなり不安な気持ちで過ごされていると思います。さっきVTRで「備えをすることで少し心が落ち着く」とおっしゃっている方もいました。備えをすることは大事だということですね。

東京科学大学・中島淳一教授:
平時から備えていただくのが一番の防災対策だと思います。

青井実キャスター:
懐中電灯や水、携帯の充電など改めて確認するようにしてください。