ノーベル賞の授賞式が直前に迫ったスウェーデンの首都ストックホルムで開催されたのは、子供や犬まで、サンタの姿になって走るイベント。
ストックホルムのサンタたちに祝福されたのは、10年ぶりの日本人ダブル受賞となった北川進さんと坂口志文さんの2人。
北川さんはストックホルム大学での講演に臨み、自身が開発した新素材「MOF」について発表。
多数の微細な穴に気体を吸着できる特性があるMOFの活用により、空気そのものが石炭や石油のように資源となる可能性を説明。
そして、“エア・ゴールド=空気は金のような価値を持つ”という表現を用いて「今、そしてこれからは“エア・ゴールド”=空気が金となる時代になり、私たちは空気を活用していく必要があります。小さな国であっても空気は平等にあります。空気の活用が私たちの未来にとって重要です」と話しました。
また、「これまでの道のりは決して自分だけのものではない」と述べ、自身を支えてくれた家族や共同研究者への感謝も示しました。
その北川さんの初めての教え子で、共同研究者として今回スウェーデンにも同行している米澤正泰さんにFNNは単独取材しました。
米澤正泰さん:
(北川さんは)天才じゃないと思います。ものすごく努力される先生だと思うので。先生は周りの人に助けられる、または助けを上手に求める方。人たらしって言うんでしょうかね。ひとりでノーベル賞を取ったんじゃないとおっしゃってましたから、周りの人に支えられてノーベル賞を取られたのだと思います。
北川さんがまだ駆け出しの研究者だった46年前から、ノーベル賞を取ると話していたことを米澤さんは今でも鮮明に覚えているといいます。
米澤正泰さん:
(当時)夜に2人で食事に行こうと。「ノーベル賞取るんじゃないですか?」と言ったら「取るんだよ」と。「(ノーベル賞)取れるかどうかは分からないけど、取るために私は研究を続けるんだ」とハッキリおっしゃってました。
一方、生理学・医学賞を受賞する坂口さんの研究室にかつて所属していた京都大学医生物学研究所の伊藤能永教授は、坂口さんと妻・教子さんの二人三脚がなければ現在の成果にはつながらなかったのではないかと話します。
京都大学医生物学研究所・伊藤能永教授:
奥さまも研究者でいらっしゃるんですけど、研究室を回すっていう意味で、色んなお手伝いをされているという感じ。裏方としてやってる感じでした。対外的な話というのはうまいこと奥さんが担当されて、坂口先生は自分がやりたい研究に集中するという。奥さんは坂口先生が今やられていることも全部ちゃんと理解されてるし、ふたりで作り上げたものだということだと思います。