自民の狙う“初の2議席独占”を野党は阻めるか?

7月21日の投開票まで残り9日となった参議院選挙。

定員2人の広島選挙区では、2議席独占をはかろうと現職と新人の2人の候補を擁立した自民党に対し、これを阻もうと国民、立憲、社民が推薦する無所属の現職共産党の新人らが挑む構図となり、激戦を繰り広げている。

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自民党 三原じゅん子参議院議員が応援したのは、元広島県議で新人の河井案里候補。

自民党 河井案里候補:
広島で唯一の女性国会議員を目指して、たった1人の女性候補として頑張っています。

自民党からもう1人出馬しているのは、元防災担当大臣で6期目を目指す現職の溝手顕正候補。

自民党 溝手顕正候補:
まだまだ元気で戦わなくちゃいけないと。皆さんと絶えず交流を忘れない、地についた政治をしてまいりたい。

候補者2人を擁立した自民党の狙いはズバリ「初の2議席独占」なのだが、候補者本人に聞いてみると同じ自民党ながら2人の間には微妙な空気が…

――河井案里候補については?

自民党 溝手顕正候補:
ノーコメントだ。

――溝手顕正候補については?

自民党 河井案里候補:
大先輩ですし、ぜひ私は2議席目を目指して頑張っていきたいと思っています。

ささやかれる“代理戦争”の影…

両候補の間に流れる微妙な空気の背後には、参院選後の“ある思惑”も。

それが“ポスト安倍”を巡る代理戦争だ。

広島は“ポスト安倍”の1人、自民党の岸田文雄政調会長率いる岸田派の本丸。溝手候補はその重鎮として議席を守り続けてきた。

一方で、河井候補の夫は安倍総理に近い河井克行衆議院議員。その河井陣営の戦いをバックアップするのが、“次期総理候補”の1人に急浮上している菅義偉官房長官だ。

そのため、自民党内で互いに票を奪い合う“仁義なき選挙戦”が懸念されるとともに、“ポスト安倍”をめぐる代理戦争とも指摘されているのだ。

これについて、両候補は…

自民党 溝手顕正候補:
そりゃ…えらいトップの人がご判断されたんでしょ。1人でやるつもりだった人は喜ばない。

自民党 河井案里候補:
いずれそういった分断が一つになるように、私が解決していきたいと思います。

迎え撃つ野党が問われる連携力

一方、国民民主党に所属しながら今回は無所属で出馬した現職の森本真治候補も、盤石な構えとは言えない現状。

自民党の2議席独占を阻止するため、ほかの野党との協力が必要となったが、無所属として出馬することで立憲民主党の推薦が得られ、枝野幸男代表も応援に来るなど効果は出ているものの…野党内の連携には不安が残っている。

無所属 森本真治候補:
(自民党)独占は絶対に許してはいけないので、覚悟をもって臨んでいる。野党が割れていたら勝負にならないというのは、皆さんが思っていたこと。

無所属 森本真治候補:
現役世代の皆さんが輝くことで、先輩世代の社会保障の支え、子供たちの子育て、しっかりとその態勢を作っていく。

政権批判票の“食い合い”危険視も…

激しい議席争いの中、地元のスーパーで声を上げるのは共産党の高見篤己候補。

共産党 高見篤己候補:
安倍政権の暴走政治をこのまま許すのか。それとも希望ある新しい政治への扉を開いていくのか。格差と貧困を広げる消費税の増税は絶対に反対だと。

共産党 高見篤己候補:
(選挙カーから出る)左手がどうしても焼けるんですよ。勲章みたいなものですからね。黒くなった、頑張ってるねと。

高見候補は、このほか憲法9条の改正反対などを訴えているが、安倍政権を批判する層の票を森本候補と食い合う形となっている。

2議席をめぐり、分裂含みの自民党に野党が挑む広島選挙区。

ほかに諸派の泉 安政候補、加陽輝実候補、無所属の玉田憲勲候補が立候補している。

(Live News it! 7月12日放送より)

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