「選挙に行くな!」動画が268万回再生に

参院選挙が21日に迫る中、若者たちに「選挙に行くな!」と呼びかける映像が話題になっている。
これは12日に投稿されたものだが、3日たった15日午前6時時点で再生回数は約268万回にのぼっている。

女性:
年金が破綻する?関係ないわ。だって私はもらえてるもん。

この記事の画像(11枚)

男性:
教育の予算が減っている?その分、医療費に回してもらえるからありがたいよ。

女性:
地球温暖化?20年30年先の話なんか知らないわ。

動画の序盤は、社会問題について中高年の主張が繰り広げられる。
しかし、途中からは若者を挑発するような言葉が・・・。

次第に、若者を挑発する言葉が・・・

女性:
あなたたちは政治家の不倫のニュースには熱心よね。

女性:
ツイッターで政治の話をシェアして知った気になっているんじゃない?

女性:
でもあななたたちは選挙には行かない。
だから私たちが政治を動かしているの。

男性:
あなたたち若者は存在しない人。

「選挙に行くな!」動画の狙いは?

この動画を見た人からは、SNS上で「こんなん見たら絶対に投票行ってやるって思うわ」という声があがる一方で、「ますます選挙行く気をなくすよね・・・」といった意見も。

この動画は、“若者と政治の距離を縮めよう”と全国で講演などを行っている会社が作成したもの。
会社の取締役に狙いを聞くと「3年前は18歳選挙権導入ですごく盛り上がったが、現在は盛り上がりが欠けていると思い、何かできる事はないかと思い、この動画を作った」と話した。

たった1年で激減 10代の投票率

思い返せば、選挙権が18歳に引き下げられたのは、今から3年前の2016年の参院選。
10代の若者が政治に参加することが大きな話題となり、10代の投票率は、20代の投票率(35.6%)を大きく上回る46.78%にのぼった。

しかし、翌2017年の衆院選では、10代の投票率は40.49%と6ポイント以上ダウンした。

中高年は「当然の義務」 若者は「関係ない」

では、今回の参院選について関心はどのくらいあるのか、中高年と若者に街で聞いてみた。

まず、衆院選でも投票率が高かった60代、70代以上に聞いてみると・・・

女性(60代):
選挙は当然だね。

女性(80代):
当然の権利。義務でもあると思うよね。

一方、18歳から20代前半の若者に同様の質問をしてみると・・・

男子大学生(18歳):
まず、選挙がある事自体、あまり知らなかったです。やっぱり、自分には関係ないって思っちゃいます。

女性会社員(21歳):
私が選挙に行っても、あまり貢献できないんじゃないかなーって思います。

突き放して投票行動へ・・・アメリカでは効果?

今回、動画を作成した狙いは、“選挙に行くな”と若者を突き放すことで、逆に政治や投票への関心を持たせ、投票に結びつける事だというが、実は、同じような手法がアメリカでも行われていた。

2018年11月の中間選挙で、若者の投票を増やすために、ある非営利団体が公開した映像がそれだ。
映像では中高年の男女が「若者の皆さん、投票はやめよう」「俺たちは間違いなく投票する。だがお前らはしない。なぜって、俺たちは行動する世代だからさ」など、挑発的な言葉を投げかける。

この映像をはじめとした若者への働きかけも影響してか、18-29歳の投票率は4年前の20%から36%に上昇したのだ。

ネガティブ手法に日本の若者は「賛否」

日本の若者に「選挙に行くな!動画」を見てもらい、感想を聞くと、「これで選挙に行かなきゃという気も起きない」(22歳女性)「もっとポジティブな動画だったらちょっと行こうかなと思うけど・・・」(21歳女性)ととまどう声が出た一方で、「若い世代でもやる事はやれるんだぞ!とちょっと思いました」(21歳男性)「“若い人たちは存在しない”っていうのは、けっこう響いた」(24歳女性)など、投票に前向きな声も聞かれた。

結果、取材した11人のうち、「それでも投票に行かない」と答えたのは6人。
一方で、投票への興味を示したのは5人
だった。

この動画の効果について、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は「若者はネットで情報をとるようになっているので、“選挙へ行くな!”動画が拡散するのは、若い人たちが考える機会になると思う。若い人たちがもっと声を上げなければ、国会議員は重視しなくなる。たとえば年金だって年金額を増やすためには現役世代の負担が大きくなる。」と話す。

今回の参院選では、若者の投票率アップに向けた対策もとられている。
総務省によると、学生が投票しやすいように、大学などの期日前投票所が全国で102か所設置されているという。

(「めざましテレビ」7月15日放送分より)