立憲民主党の野田代表は6日、視察先の大分市で記者団の取材に応じ、自民党と日本維新の会が提出した衆院議員定数削減法案の成立に向け、維新が参政党に協力を求め、参政党がスパイ防止法制定などへの協力を条件としたことについて、「論外だ。まったく違う立法と絡めるのは党利党略過ぎる」と批判した。
自民・維新両党は5日、衆院議員の定数を約1割削減する法案を国会に提出したが、これに先立つ4日に維新の藤田共同代表が参政党の神谷代表に法案への協力を求めたのに対し、神谷氏は参政党が掲げているスパイ防止法案や日本国旗の損壊行為を処罰する法案などへの協力を条件にあげた。
こうした動きについて野田氏は、「論外だ。政治改革で一本の筋が通った議論をする中で色々調整することはあり得ると思うが、全く違う立法の話と絡めてやるというのは、これこそまさに党利党略すぎるのではないか。そこまでして参議院で人数確保したいというのも、やりすぎだと思う」と批判した。
野田氏はさらに自民・維新による定数削減法案について「一番問題なのは特に自動削減。あのやり方は、世界の中で立法上ない。憲法学的に見ても極めて疑義のあるやり方だ。予算措置を事前に決めてということは世界の中でも例としてある。立法措置を前倒しで決めてやるというやり方はやってはいけないこと。戒められていることをあえて連立のためにやるということは私は許されないと思っている」と述べた。
野田氏はその上で、小選挙区比例代表並立制や政党助成金を導入した1990年代の政治改革について「派閥政治が横行し、金権政治、利権政治が横行し、これはダメだから」という立法事実(理由)があったと指摘し、「今回の立法事実というのは、政権維持のためじゃないですか。そんなことは認めちゃいけないと思う」と与党側を批判した。