2019年7月に起きた京都アニメーション放火事件の被害者の家族が、このほど島根県松江市で講演し、カウンセリングなど被害者支援の必要性を訴えました。

この講演会は、公益社団法人・島根被害者サポートセンターが犯罪被害者月間の活動の一環として開催しました。

11月1日から12月1日まで講師を務めたのは、2019年7月に京都市で起きた「京都アニメーション」放火事件で犠牲となった渡邊美希子さんの母・達子さんと兄の勇さんです。

母・達子さん:
温かい人たちが周りにいっぱいいらっしゃることで、私はなんとかやって来れたんだなと思っています。
カウンセリングってとっても重要だなっていう風に感じているこの6年間以上経ちましたが、やっぱり大事やと思うんです。

母の達子さんは、つらい心の傷を少しずつ癒したのは「カウンセリング」だったと語りました。

また、全国で講演活動をする兄の勇さんは、講演を聴いてくれた人に「サンキューレター」というメッセージカードを配っています。
感謝の気持ちを周囲の人に伝えてほしいと、今年から始めた取り組みです。

兄・勇さん:
自分の周りの大切な方であるとか、ちょっと喧嘩しちゃったなっていう方でもいいので、言葉ではちょっとね伝えられなかったとしても、手紙とかね、そういうものやったら、ありがとうもごめんなさいも伝えやすい時ってあるかもしれないなと…。
ふだんから感謝を伝え合うことで誰もが生きやすい社会が生まれ、犯罪のない平和な世の中に繋がると信じています。

参加者:
お2人がただ悲しいとか恨みとかつらみじゃなくって、社会全体で被害者を作らないという、すごく広い暖かい地域全体でやっていきましょうという、こう将来に向けて前向きに語ってくださったことがとても感動しました。

達子さんと勇さんは新たな被害者を生まれない社会を目指し、今後も講演活動を続けていくということです。

TSKさんいん中央テレビ
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