12月3日から4日にかけて非常に強い寒気が流れ込み、新潟市でも初雪が観測される予想だ。昨季はドカ雪も記録されたが、今季の降雪傾向はどうなるのか…石黒菖気象予報士に気になる今冬の降雪傾向を聞いた。
■今冬の降雪量は「平年並み」も…
Q今冬の降雪量の予想は?
ならして「平年並み」とみています。11月25日に発表された北陸地方の3カ月予報によると、12月から2月にかけての冬のシーズンの降雪量はほぼ平年並みと発表されました。ただ、その2日後の27日に発表された1カ月予報では、12月は寒気が強まりやすい時期があるということで、降水量は多い傾向となっています。
この「平年並み」というのは一見、安心してしまうのですが、実は危険なワードでもあります。というのも近年地球温暖化の影響で、海面水温が高い影響もあり、一時的に強い寒気が流れ込めば短時間で積雪が増える、いわゆるドカ雪となりやすい傾向にあります。
平年並みでも強い寒気が流れ込めば大雪の日もあり、寒気がおさまれば雪が降らない日もあるということで冬の期間をならして見ると、「平年並」になるというのに注意が必要です。早速12月3日から4日にかけては、この時期としてはかなり強い真冬並みの寒気が流れこむ予想で、山沿いでは大雪、平地でも積雪となるおそれがあります。こまめに最新の雪の情報を確認する必要があります。
■気温の傾向は?
Q雪が降りやすい年と雪が降りにくい年の違いとは?
一般的に冬にラニーニャ現象が発生すると、厳冬。エルニーニョ現象だと暖冬傾向です。
ここ最近だと、2020年、2021年、2022年の冬がラニーニャでした。2020年の冬は新潟県湯沢町で24時間降雪量113センチを観測。観測史上1位を更新し、関越道では大規模な立ち往生が発生しました。また、2022年の冬は魚沼市守門で6時間降雪量が45センチを観測。短時間で積雪が急増したことで「顕著な大雪に関する新潟県気象情報」も発表されました。記録的な大雪になったのがわかります。
一方、近年だと2023年の冬はエルニーニョとなっています。この年は12月から1月にかけては寒気の影響を受けましたが、2月は暖冬傾向となりました。12月は新潟県内の中では雪の積もりにくい傾向の新潟市中央区で積雪68センチを観測。その後は冬の後半になるにつれ気温が平年よりも高くなり暖冬となり、スキー場などの雪不足や翌年の農作業における水不足など問題になっています。
Q気温の傾向はどうなる?
今年は概ね平年並みの気温ですが、12月はやや低温傾向にあります。低温傾向だと、より上空の高い所まで空気が冷えているということで、背の高い雪雲が発達し、より多くの雪を降らせる原因にもなります。
暖冬傾向だと、その分、湿った重い雪が降りやすくなります。電線などに着雪して停電などが起きたり、屋根から重たい雪が落ちてくることで雪かき中の事故にも注意が必要です。
また暖冬傾向=冬型の気圧配置が強くない時というのは山雪型(山沿いで大雪)よりも里雪型(平地で雪)になりやすいです。なので、暖冬傾向でも油断しないことが大切です。
■新潟市も12月4日までに初雪か…
Q大雪リスクはいつ頃高まりそう?12月に大雪の恐れも?
3日水曜からこの時期としてはかなり強い寒気が入り、山沿いでは3日の夜から短時間で積雪が急増する恐れがあります。
11月20日にも魚沼市守門で一日で30センチの積雪を観測し、11月の観測史上2番目タイの深さとなりましたが、それ以上に雪が積もる可能性があります。
平野部でも雪かきが必要なくらいつもり、雪道となります。初雪は新潟地方気象台がある新潟市中央区で雪(またはみぞれ)が降ると初雪の発表があるんですが、4日(木)の朝までには初雪の発表がありそうです。新潟市はしっかり積もる見通しではありませんが、路面がうっすら白くなる可能性があります。
雪のシーズンはじめは久しぶりの雪道運転ということで、スリップ事故も起きやすいです。交通への影響が大きくなる可能性があるので最新の雪の情報・交通情報を確認するようにしてください。
Q近年のドカ雪傾向について
地球温暖下による海面水温の上昇の影響で雪雲の元となる水蒸気が大量に供給されやすく1回に降る雪の量が多くなっています。
また、猛暑の年だと、より海面水温が暖まりやすいため、強い寒気が流れ込むと雪雲が発達しやすく、大雪となる可能性が高まります。夏の猛暑が冬にまで長く影響をもたらします。
石黒予報士は、3日の水曜の夜には平地も雪の予想のため、タイヤ交換は早急に。雪かきグッズの点検、見直しなども行うよう呼びかけている。