交通事故で家族を亡くした子どもへの支援について考えるシンポジウムが、12月2日に岩手県盛岡市で開かれ、10歳で妹を失った男性が「悩みを吐き出せる場所がなかった」と体験を語りました。
警察庁が開いたシンポジウムには、市民や支援団体の関係者など約60人が参加しました。
2日は岩手医大の児童精神科医が「事故で家族を亡くした子どもには感情のまひが起こりやすい」ことなどを語ったほか、スクールソーシャルワーカーが家族を亡くした子どもを経済面で支える制度などについて説明しました。
その後、子どもの頃に事故で家族を亡くした人たちが登壇しました。
大崎佑輝さん(35)は10歳の時、二戸市で起きた飲酒運転による交通事故で当時7歳の妹・涼香さんを失いました。
大崎さんは、当時感じた孤独感や周囲に伝えられなかった思いを、次のように振り返りました。
交通事故で妹を亡くした大崎佑輝さん
「自分だけがつらい経験をしたわけでも、この世の中で一番つらいわけでもないとわかっていながらも、なかなか出口の見えない気持ちを吐き出せる場所もなく悩み続けていた」
大崎さんは、事故後の子どもの心に寄り添う継続的な支援の重要性を訴えました。
警察庁は今後も市民に理解を深めてもらう取り組みを続けていくとしています。