社会人のアメリカンフットボールチーム『九州熊本マーベリックス』。
県内外から選手が集まるチームの魅力、そして競技にかける選手たちの熱い思いを取材しました。
アメリカンフットボールチーム『九州熊本マーベリックス』。
熊本で1994年に誕生し今年で31年目。
九州社会人連盟に所属する3チームのうちの一つで、県内では唯一の社会人チームです。
今年は九州社会人選手権での4連覇や西日本社会人選手権で初優勝を飾るなどチームは今、勢いに乗っています。
【チームの創設者の一人 山崎 友裕GM】
「(過去には)人数不足で試合ができなかったり、練習ができなかったり、チームの運営ができなかったりした時期が長くあったが(今は)九州各地から集まっている感じ」
県外在住者も含め、約50人の選手が所属。
プロではないため、活動費などを選手自らが出しながら仕事などと両立し、週に1回、汗を流しています。
【佐世保市役所勤務 岡田 篤武 選手】
「大学からアメフトを始めてこのマーベリックスで長くお世話になっていたので、〈恩返し〉というか〈熊本の地をアメフトで盛り上げていきたい〉というそういう思いで練習に来ている」
【福岡市在住 化粧品メーカー勤務 勝嶋 陽 選手】
浜田(仕事との両立は?)「大変。(職場の人たちが)試合を見に来てくれたりもするので、〈すごく支えられている〉と感じる」
キャプテンを務めるのは熊本市出身の小山 翔平 選手です。
熊本工業高校ラグビー部出身で、大阪体育大学でアメフトを始めました。
マーベリックスに所属し4年目となります。
【OL・小山 翔平 キャプテン】
「ポジションごとに魅力はそれぞれ違うが、僕は力と力のぶつかり合いが好きでずっとやっている」
普段は熊本市内にある特別養護老人ホームで働いています。
「さぁ、いきましょうかね」
入浴の介助をはじめ、体を動かしたり頭の体操をしたりという活動の時間も担当します。
【小山 翔平 キャプテン】
「皆さんより力はあるので、ベッドから車いすへの移乗やお風呂介助からの立ち上がりといったところで役に立っていると思う。利用者さんからの『ありがとう』や一緒にいた家族から『ありがとう』(の言葉)をもらうと〈やっていて良かったな〉と思う」
【職場の同僚】
「おじいちゃん、おばあちゃんの人気がある人。大きい体で頼りがいがある、人気者」
そして、外がすっかり暗くなったころ…小山選手の姿は熊本市の九州中央リハビリテーション学院にありました。
実は去年から、国家資格、理学療法士の免許を取得しようと、夜間部に通っています。
【小山 翔平 キャプテン】
(資格取得を目指す理由について)
「チームのトレーナーとしても利用できるし、(勤務する)施設でも会社としてプラスになるのであれば。〈自分の知識のためにも資格を取りたいな〉と思った」
選手それぞれが、競技と共に自分の人生を歩んでいます。
チームでは、競技の普及を試みようと積極的にイベントを開いています。
【山崎 友裕 GM】
「まずはアメリカンフットボールを見て、音を聞いて、感じてもらい、アメリカフットボールの競技だけでなく、それに関わるイベントなども楽しんでほしいと企画している。まず見てほしい、感じてほしい」
まだまだ観戦する機会の少ないアメリカンフットボール。
12月21日には水前寺競技場で公式戦が予定されています。
【OL・小山 翔平 キャプテン】
「寒いとは思うけど僕らの熱い試合を見て温かくなり、アメフトを知ってもらう機会にしたいので皆さんに見てもらいたい」
選手たちのあふれるエネルギーが会場で待っています。
今度の日曜日、7日は『水前寺ボウル』と題して社会人と学生の交流戦が水前寺競技場で開催されます。観戦は無料ということです。
そして公式戦は12月21日、同じく水前寺競技場で行われます。迫力ある試合を体感できそうです。