いざという時に備えます。
日ごろから使っている食品を多めに買い置き、非常食として役立てる『ローリングストック』を活用した防災食の調理実習が松江市の専門学校で行われました。
備蓄防災食調理アドバイザー・西本敦子さん:
「非常食はどうしても普段食べないもの、賞味期限が長いゆえに買って終わりになりがちです。防災用は不要です。ローリングストック法でかしこく備蓄をしましょう」
松江市の松江栄養調理製菓専門学校で行われた調理実習。
講師を務めたのはテレビでもおなじみのフードコーディネーター・西本敦子さんです。備蓄防災食調理アドバイザーの資格を持ち、災害時の「食」の備えの普及に取り組んでいます。
その西本さんが生徒たちに教えたのが「ローリングストック」と呼ばれる食品の備蓄方法。災害などいざというときの食の備えとしても有効だと説明しました。
「ローリングストック」とは、日ごろから使っている食品を多めに買い置いておき、古いものから消費し、その分を補充。常に新しい備蓄を保つ仕組みで、無駄が少なく、非常時にも食べ慣れた食品を口にすることができます。
この日の実習では、生徒たちが実際に防災食の調理に挑戦。
西本さんに教わりながら、ローリングストックで備蓄された焼き鳥やカットトマトの缶詰などを使ってキーマカレーなど3品を作りました。
ご飯を炊くのも、普段通りの調理器具が使えないことを想定し、耐熱のポリ袋を使います。
こちらは古くは忍者の携帯食としても重宝された「静神丸」。
わずかな量でも栄養価が高く、材料のすりごまとはちみつを練り合わせるだけですが…。
Q、ちょっと苦戦していません?
生徒:
「いや苦戦っすよ、これは。固まんないっすもん」
備蓄防災食調理アドバイザー・西本敦子さん:
「もうちょい水分を飛ばしたほうがいいね。豆乳をちょびっと入れて半分くらい入れてこれくらいで溶いたらいい」
30分ほどで豆乳担々麺、高野豆腐のキーマカレー、そして静神丸の3品ができ上がりました。
生徒:
「作りやすかったです、(備蓄品での調理は)あまりやったことがなかったので、初めての体験だったんですけど面白かったですね」
「防災って言ったら缶詰とかパンとかそんなものかなと思っていました。(災害時でも)やっぱり美味しいもの食べたいと思うので(備蓄品を使った)レパートリー増やしたほうがいいかなと思います」
備蓄防災食調理アドバイザー・西本敦子さん:
「災害はいつ起こるかわからないので、災害が起きたときに何をするではなくて、防災を日常的にやっていれば困らないということになるので、『防災の日常化』に心掛けていただければと思う」
「いつも」の食事が「いざという時」の備えに…。
無理なくすぐに始められるローリングストックはいざというときの備えとして役立ちそうです。