都城市に新たな菓子店がオープンします。
手掛けたのは130年以上続く老舗菓子店で社長を務めていた男性。安定を捨てパティシエとして新たな道に挑戦する男性に密着しました。

11月中旬、都城市である菓子店がオープンに向けた準備に追われていました。
オーナーの遠武大輔さん47歳。都城市で138年続く老舗菓子店「お菓子の南香」の元社長です。
4代に渡り続いてきた店を今年3月に退職し、独立に向けて準備を進めてきました。

(遠武大輔さん)
「安定した道を手放すっていうことに関してすごくやっぱり考えはあったんですが、今まで社長をやっていて、やっぱり『お菓子の南香』というバックボーンがあって…。(自分に)どれくらいの力があるのか、自分の力を試したい。やりたいという思いに対して嘘はつきたくないということで、今回独立という形でお店をオープンします」

口に入れた瞬間、雪のように溶けていくスポンジ「コナユキ」などオリジナルの素材を生み出し独創的なケーキを提供する遠武さん。
実は去年12月に結婚したばかりなんです。
結婚直後の独立に妻の昌子さんは…。

(妻・昌子さん)
「(やめるってなって不安は?)びっくりしましたね。一番はびっくりしました。色々な人に相談したり、大輔さんと話すことが増えたりして...不安ももちろんありながら、楽しみも増えていったような感じです」

遠武さんの新たな店の名前は「霧菓310」。
霧菓は“霧島で作るお菓子”、そして310には遠武さんがパティシエを目指すきっかけにもなった祖父・博さんへの思いが込められています。

(遠武大輔さん)
「3月10日は僕とおじいちゃんの誕生日なんです。おじいちゃんの夢が孫と一緒に仕事がしたいと常日頃言っていて、僕もそれに向かって頑張っていたんですが、修行中に亡くなってしまって、その夢が消えてしまったんですよ。このお店をすることによって1回消えた夢が再現できて、一緒に働けるんじゃないかという思いを込めて310という名前を付けました」

オープンが間近に迫った11月25日、プレオープンイベントとして放課後等デイサービスに通う子ども達を招きクリスマスケーキ作りが行われました。
遠武さんが以前のお店の時から20年以上続けてきた取り組みです。

(遠武大輔さん)
「プレオープンha
色々な形があると思いますが、僕の中のプレオープンはやっぱり地域の子ども達の笑顔です。原点に戻れるっていう意味では、本当に子ども達から学ぶことがすごく多いです。(これをきっかけにオープンに向けて良い弾みになりそう?)パワーをすごくいただいているので、あとはそれを発揮するだけです」

自分の腕を試すため、安定を捨て挑戦の道へと進む遠武さん。
新たな店はいよいよ12月3日にオープンします。

(遠武大輔さん)
「親には言っているんですけど、2年で南香の売り上げを超えるというのが目標であり、親孝行だと思っています。(2年でいけるんですか?)いけるんじゃなくていくんですよ。やれるかじゃなくてやるんです」

テレビ宮崎
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