静岡県牧之原市などで甚大な被害を出した竜巻被害からまもなく3カ月。一刻も早い復旧を目指す中、市議会が出した方針にいま市民の間で波紋が広がっています。
9月に発生した国内最大級の竜巻により甚大な被害が出た牧之原市。
今も各地で復旧作業が進められています。
市民にとっては復旧に向けた市の方針や考え方は大きな関心事項です。
しかし、その考えを聞くことのできる市議会で竜巻被害に関する質問を行わないよう議会側が調整したことがわかりました。
12月10日から始まる市議会の質問戦での各市議の質問内容に、竜巻関連は一切入っていません。
では、なぜ市議は市当局に質問をしないのか?
議会事務局によりますと、原口康之 議長から全市議に対してメールで「当局が復旧復興に向け取り組んでいるため、竜巻災害について個々の議員で一般質問は行わないようにお願いします」と呼びかけられたといいます。
これに対して一部の議員から反発があったものの、「違った見解、考えのもと質問をするよりも市も混乱しない」と方針がまとまり、2人の市議が質問を取り下げたといいます。
高本圭市 記者:
竜巻関連の一般質問が行われない見通しとなった牧之原市議会。市民はどのように受け止めているのでしょうか?
牧之原市民:
もう少し被害にあった人のために話をしてほしいけどね
牧之原市民:
いかがなものかと思う。そうした所で議題にあげてもらってどういった対応ができるのか?もっと積極的に行ってほしい
被災住民(11月28日):
「ああ、そうなんだ」と思って置いてかれるんだと思った。もっと早くなんとかならないかと思うが私たちでは分からない
また、この問題について答弁する側の杉本喜久雄 市長は…。
牧之原市・杉本喜久雄 市長:
我々が「この質問は遠慮してほしい」などは一切ない。我々は質問が来ればすべて対応するという姿勢でいますので、議会の判断なので私が言うことではない
一方で市議会側は、一般質問の代わりに市に質問できる全員協議会を開くとしています。
市議会の質問戦は12月10日から行われます。