2日、高市首相は就任後初めて福島県を訪れ、福島第一原発などを視察しました。
高市首相は午後5時過ぎに取材に応じ、ある決意を語りました。

2日午前8時過ぎ、首相官邸を出発した高市首相。
向かった先は首相就任後初となる福島県。福島第一原発などを視察しました。

一方、関係が悪化する日中関係を巡っては2日も動きが。

中国の傅聡国連大使が1日、国連のグテーレス事務総長に2度目の書簡を送付。
高市首相の台湾有事を巡る発言について、直ちに撤回するよう改めて求めました。

これに対し木原官房長官は「中国側の主張は到底認められるものではなく、政府としては引き続き適切に対応していく」と述べました。

また、歌手の浜崎あゆみさんなど中国でのライブ中止が相次ぐ事態となっていますが、“クールジャパン戦略”兼務の小野田経済安保相は2日、「民間企業による個別のイベントでどういうことがあったかということに対してはコメントを控えたい。その上でクールジャパン戦略に関しては、どこか特定に偏るというものではなくて、全世界にファンを増やしていくことを目的に頑張っているので、我々はサポートしていきたい」と述べました。

こうした中、2日、福島県を初訪問した高市首相。

除染作業で発生した土などが一時的に保管される大熊町の中間貯蔵施設や、住民の立ち入りが制限されている双葉町の帰宅困難区域などを視察しました。

その後、廃炉作業が続く福島第一原発へ。
構内で廃炉作業の進捗状況について説明を受けました。
時折、何かを指さす様子もありました。

そして東京電力の職員に「皆さまが歯を食いしばって、いろんな課題が出たら、それにチャレンジングに取り組み、解決をし、また次に進み情熱を持って取り組んでこられたこと、心から敬意を表します。福島の復興をなくして日本の再生なし。一緒に力を合わせて頑張っていこうじゃありませんか。皆さまのご健康と、そして、これからのご活躍を心からお祈り申し上げます」と語った高市首相。

視察を終えた高市首相は「廃炉やアルプス処理水の海洋放出、これが安全かつ着実に進捗しているということを自分の目で確認いたしました。内閣の重要課題として、福島の復興に責任貫徹の思いで取り組んでまいります」と述べました。

福島第一原発を巡っては2年前、中国政府が処理水放出に反発して日本産水産物を全面禁輸。
2025年6月に福島など10都県を除き輸入を再開すると発表していましたが、11月、高市発言のあと、中国側は“日本が放射性物質に関する技術資料を提出していない”などとして、輸入を事実上停止しました。

このタイミングで原発を視察した高市首相ですが、政府関係者によると、「就任直後から外交日程や国会日程が続く中で今回のタイミングとなった」としています。

処理水の安全性について木原官房長官は午後4時過ぎ、「これまでのモニタリングの結果やIAEA(国際原子力機関)による評価においても、全ての(処理水の)放出について安全性が確認されていると承知している」と述べました。