パルコ・溝口岳 取締役:
当社が運営いたします静岡パルコの営業終了を決定いたしましたので皆さまにお知らせいたします

11月28日に開かれたパルコの会見。

発表されたのは2027年1月の静岡パルコ閉店でした。

なぜその決断に至ったのか?そこには厳しい現実がありました。

鈴木櫻子 記者:
中心市街地の核として長年親しまれてきた静岡パルコですが、その売り上げは近年厳しい状況に陥っていました。

静岡パルコの売上高は2024年度約82億円。

前年度より増えてはいるもののピーク時の75%ほど、新型コロナの影響があった2019年度にも届いていませんでした。

パルコ・溝口岳 取締役:
商環境の変化の中で現在地点を確認し、また今後中長期視点で考えた中での判断となります

パルコ側が理由に挙げた商環境の変化。

周辺だけでなく市内外に競合店が進出したことやインターネットで買い物の利用が増え、今後の大幅な回復は見込めないと判断したということです。

専門家は若い世代をメインターゲットにする店にとって苦しい状況が続いているといいます。

静岡経済研究所・田原真一 研究員:
(’23年閉店の)東急スクエアや(’21年閉店の)静岡マルイなどいずれも若者向けのファッションや雑貨を扱う店が厳しい状況。ネット通販では翌日配送など利便性はかなり高い。リアル店舗の強みが生かしづらくなっている

パルコの撤退で懸念されているのが中心市街地”おまち”の空洞化です。

中心街の特徴について、専門家は商業施設が立ち並び、周辺の商店街を含め回遊性の高さを挙げています。

静岡パルコもにぎわいづくりの一角を担っており、商店街の店主も影響は小さくないと話します。

商店街の店主:
(静岡パルコの前に入っていた)西武が撤退した時に非常に通行量が減った。業態問わず、シャッターを開けてもらいたい

商店街の店主:
(影響は)多少あるかもしれない。(閉店の)後だよね、後がどうなるかの一点

商店街の店主:
パルコの場合は10代から20代、30代が多い。やっぱり若い人が減るのは心配

商店街が不安視するのは近隣都市の前例です。

浜松市の中心市街地では2001年に経営破綻で松菱百貨店が閉館。

20年以上にわたり活用されていません。

また、静岡パルコの建物は完成から50年以上経っており、現代の商業施設に求められる空間設計とのギャップを懸念する声もあります。

静岡経済研究所・田原真一 研究員:
2024年4月にM20が開業し静岡駅周辺でも大型施設の開業が予想されている。駅前周辺全体で新陳代謝、スクラップ&ビルドが進んでいる最中。なるべく早い段階で新しい店が決まると良い

静岡パルコの閉店まで1年あまり。

街のにぎわいを維持するためにもスピード感のある再生計画が不可欠です。

テレビ静岡
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