車が渡りきれずにとどまり列車の緊急停止が相次いでいる踏切が広島市佐伯区にあります。踏切内の停車を防ぐため、全国初となる実証実験が始まりました。

踏切内を通過するJRの列車。その数分後に通るのは、広島電鉄の列車です。

広島市佐伯区にある「蟹原第2踏切」には、JRと広島電鉄の線路が平行して走っています。

【竹内記者】
「秒踏切内、線路と線路の間に車1台が入るほどのスペースがあります。あそこに車が留まって列車が非常停止するケースが多いということです」

JR西日本によりますと、車が踏切内にとどまり、列車が緊急停止する事案が年に60回程度発生しているということです。


これまで看板を設置するなどして注意を呼び掛けるも大きな効果がなく、今回、JR西日本が実施したのが…

【アナウンス】
「踏切内は停車禁止です。ご注意ください」

高速道路で利用されるETCシステムを活用した実証実験です。踏切に入る車を感知し、注意喚起のアナウンスを流します。

ETCを列車の安全対策に応用するのは、全国初の取り組みです。

【JR西日本中国統括本部:鈴木崇士課長】
「看板、注意喚起のゼブラゾーンを含めて風景の一部になってしまうと思います。音で聞いてわかることを意図して安全対策としての注意喚起としてはより有効なものになるのではないか」

実証実験は来年3月末まで行われ、効果を検証するということです。

【記者解説】
取材した竹内記者によると、JRと広電の列車が頻繁に走り、遮断機が長時間下りた状態となることが多いため、「次開いた時に渡ってしまいたい」と、無理に踏切に侵入する運転手が多いようです。

同じような踏切は西広島駅から宮島口駅の間に6か所あり、JR西日本は実証実験の効果を見極めシステムの導入を検討したいとしています。

テレビ新広島
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