ユネスコ無形文化遺産登録に向けた日本の候補に神楽が選ばれました。
11月29日に奉納された西米良村の神社では、神楽を舞う小学生の姿が…
そこには「無形文化遺産への登録が最終目標ではない」とされる神楽の形がありました。
国指定重要無形民俗文化財「米良の神楽」として指定を受けている越野尾神楽。
(中村真菜記者)
「越野尾神楽が奉納される児原稲荷神社に来ています。会場には、たくさんの人が神楽を観に来ています」
越野尾神楽は激しく勢いがあるのが特徴です。
年々舞手が減少し、コロナ前までは三十三番ある演目を夜通しで舞っていましたが、いまは十三番まで減らして神楽を守っています。
どうにか次の世代につないでいこうと今年4月、西米良村教育委員会が選んだ手立ては…
(西米良村教育委員会 野添和洋教育長)
「今年度、小学生と大人を対象に神楽講座をスタートさせました。越野尾地区はもちろんなんですけれども村所地区の子供たちが参加してくれています」
講座には越野尾地区と村所地区の小学生5人が参加し、5月から9月は月1回、10月と11月は週1回練習してきました。
そして迎えた11月29日の例大祭当日。「花の舞」を披露しました。
(西米良村教育委員会 野添和洋教育長)
「子供たちが神楽の良さを感じて、今日も素晴らしい舞を見せてくれたんですけれども、ぜひ長く続けてもらって未来永劫に神楽がつながってくれるといいなと思っています」
児原稲荷神社の宮司・甲斐法長さん。
この取り組みに賛同し「過疎だからこそ、地域で祭りや神楽を残す努力を」と話します。
(児原稲荷神社 甲斐法長宮司)
「過疎で普段は町場に住んでいる方いらっしゃいますよね。ただ、祭りの日は帰ってくるんですよ。そして地域が昔のように明るく活性化するんですね」
「やっぱり西米良の子供たちがみんな積極的にそういうもの(神楽講座)に参加してくれたら、今後大きな成果につながってくるのではないかなと思います」
神楽継承への思いは地域の人だけではありません。
(宮崎市から)
「(神楽は)伝統的なものだからこそ、みんなが積み上げてきた歴史とかが伝わってきてすごく感慨深いなと思います。毎年小さいころから観に来ているというのもあって、こういう文化がなくなってしまうのはとても寂しいなと思います」
(都城市から)
「ここ数年毎年来ていて、すごく雰囲気のいい神楽だなと思って来ています」
「どうにか受け継いでいってほしい。残してほしいと思います」
村をあげて存続に取り組む西米良村。
過疎化が進む中で、神楽は地域の存続を象徴するものともなっています。