香港北部の高層マンションで発生した大規模火災。

32階建ての住宅7棟に燃え広がり、香港史上最悪の火災となりました。

実際に高層ビルで火災に遭ったらどう行動すべきか。私たちの命を守るための教訓を探りました。

■「全てのお金を使って買ったけど燃えたら何も残らない」

26日、香港北部で発生した4000人以上が住む高層マンションの火災。

火は32階建ての住宅7棟に燃え広がり、死者128人、行方不明者はおよそ200人にものぼり香港史上最悪の建物火災になっています。(日本時間28日午後3時時点)

大量の黒煙がたち上り、消火活動が行われていましたが、時間が経つにつれ、黒煙の量はみるみる増え…日が暮れると周りの棟にも燃え移り、マンション群一体が巨大な炎に包まれました。

【住民】「20年以上前に購入しました。すべてのお金を使い買ったが燃えたら何も残らない」
【住民】「今は情報を待っています。母親を見つけたいだけなんです」

■伝統の「竹を使った足場」は過去にも火災が

被害拡大の要因について地元メディアなどに指摘されているのが、当時、修繕工事の現場で使用されていた竹を使った足場です。

取材班は火災を受けて現場周辺を緊急取材し、これほどの被害になった原因を探りました。

香港の街を歩いて目についたのは、竹を使った足場で作業をする建設現場。

【記者リポート】「今回火災にあった建物と同じようにこちら竹で足場が組まれています」

香港では竹の足場を使った工事の技法が伝統的に守られていて、その景観はある種の“名物”となってきた背景があります。

【香港市民】「今までずっとこれ(竹の足場)だよ。伝統だよ」

今回の火災の前から危険だと思っていた香港中心部では2年前にも工事中の高層ビルで火災が発生。その時も竹の足場が勢いよく燃え、鎮火後、周辺の道路には竹が散乱していました。

こうしたことから近年、その危険性が指摘されるようになり、香港政府は竹の足場を規制し、金属製に移行する施策を進めていた最中でした。

今回の火災はそれに加え、外壁を覆っていた防護ネットが防火基準を満たしていなかったことなども火が急速に拡大した原因として指摘されています。

■もし高層ビルにいる時に火災が起きたら

類を見ない被害となった香港の火災。私たちが高層ビルにいる時に火災に見舞われたらどう行動したらいいのでしょうか

取材班は大阪市内のホテルに協力してもらい、防火の専門家と共にその答えに迫りました。

まず、日本の高層マンションやホテルで今回のような火災が起きるのか聞きました。

元消防士でレスキューハウスの兼平豪さんによると、「日本の建物は消防法や建築基準法で防火対策が厳しく決められているため、被害が拡大しづらくなっている」とのことでした。

■「煙は1、2分吸ってしまうと窒息状態に」

万が一、火災になった時に何をすればいいのでしょうか。

【元消防士・レスキューハウス兼平豪さん】「煙は1、2分吸ってしまうと窒息状態になる。煙をどれだけ吸わないことができるかということが大事になってくる」

火災の時は煙を吸うことによる窒息が最も注意すべきことのひとつだといいます。その対策として有効なのがビニール袋です。

【元消防士・レスキューハウス兼平豪さん】「ビニール袋かぶって全部覆う。そうすることで視界もクリアですし、(呼吸が)1、2分持つ」

■煙を吸わないために逃げ方にもポイント

さらに煙を吸わないために逃げ方にもポイントがあります。

【元消防士・レスキューハウス兼平豪さん】「まず、真横に炎がないのか、あるのか確認するために、ドアノブを触る。熱を持ってないか確認します。熱を持ってなかったら、次にしゃがむ。しゃがんで少しだけ(ドアの)隙間を開ける」

そして、煙の流れる方向を見極めることが重要だと言います。

【元消防士・レスキューハウス兼平豪さん】「煙は縦に行くスピードは私達よりもはるかに早いんですけど、横に行くスピードはめちゃくちゃ遅いんですよ。右から煙が来てたら、右側に火点か燃焼物体があるので、左側の水平避難、左側にとにかく逃げる」

このホテルでは避難口が各フロアに2つ以上設置されていて、年10回の火災訓練も行われています。

【元消防士レスキューハウス・兼平豪さん】「高層ビルでの火災で怖いのは、一度取り残されてしまうと、救助がすごく困難になってきます。取り残されてしまうと、致死率・死亡率は一気に上がる。取り残されないために何が必要なのかを考えてもらう必要がある」

火災から命を守るためには、もしもの時への意識を持つことが必要です。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年11月28日放送)

関西テレビ
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