仙台育英高校サッカー部のいじめ問題について、学校は、部員同士で頭を「丸刈り」にするよう強要したり、同調圧力をかけたりしていたと明らかにしました。
学校は「指導者が部員に罰を与えるよう指導していた」とも説明しています。
仙台育英高校サッカー部の3年生の部員は、1年生だったおととし春ごろから、主に同学年の複数の部員から不適切な言動を繰り返し受けていたとして、学校が「いじめ重大事態」として調査を進めています。
学校は、顧問団と生徒の人権意識が十分でなかったことが背景にあるとして、いじめが組織の体質として生じた「構造的いじめ」と結論づけました。
仙台育英サッカー部は、12月に開幕する全国大会を含めて、年内の対外活動をすべて停止しています。
新たに学校が明らかにしたのが「丸刈りの強要」です。
学校によりますと、いじめを受けた生徒は、連帯責任を求められた複数の部員から、頭を丸刈りにするよう強要されたり、同調を迫られたりしたことが複数回あったということです。
また、学校側は、部内の規律を保つため、「罰を与えるような指導」が顧問団から生徒に対して行われていたとして、指導者の責任を認めています。
一方で、いじめの実態をめぐっては、学校側の受け止めと一部保護者の認識の間に隔たりがあり、一部の保護者はさらに詳しい調査や説明を学校側に求めています。
一連の問題を受け、監督および、コーチを兼任する部長は、いじめを受けた生徒に直接会って謝罪したということです。
2人は18日までに辞任届を提出し、受理されました。
辞任は、「一身上の理由」とされています。
仙台育英が辞退した全国高校サッカー選手権の宮城県代表については、20日時点で決まっていません。
県高体連は、「前例がないため調整が難航している」としていて、代表校なしとする判断も「可能性としてはある」と話しています。