第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会、北海道代表決定戦の最終日。11月14日、札幌市の北ガスアリーナ札幌46では、男女の決勝が開催されました。その男子決勝のコートに立ったのは、夏のインターハイ北海道代表の東海大札幌と、そのインターハイ予選決勝でフルセットの激闘の末に涙を飲んだ札幌大谷。創部6年目にして「悲願」の二文字を現実にするための再戦に臨みました。

 第1セット序盤、試合の主導権を握ったのは東海大札幌でした。一時5点のリードを許す展開となりましたが、札幌大谷はエース小林巧人のバックアタックなどで追い上げ、キャプテン遠山吹輝のスパイクで逆転に成功しました。東海大札幌もキャプテン高津戸和馬のスパイクやサービスエースで粘りを見せましたが、終盤、札幌大谷が一気に突き放し、25-19でこのセットを先取しました。

 第1セット終盤の勢いそのままに札幌大谷が序盤から8連続ポイントを奪い、一気にリードを広げました。東海大札幌も必死に立て直しを図りますが、札幌大谷の集中力は途切れず、東海大札幌は序盤の点差を埋めることができませんでした。結果、札幌大谷が25-12という圧倒的なスコアでこのセットも奪い、セットカウント2-0のストレートで勝利。創部6年目で悲願の初優勝を飾りました。

 遠山キャプテンは「大変嬉しいです。嬉しい気持ちもあるし、東海大札幌さんと一緒に春高頑張りたい気持ちもあるし、新しい伝統を作れたことが一番嬉しい」と喜びを噛みしめるように語りました。試合内容については、「序盤から自分たちがやりたいバレー、ブロックやワンタッチを取って切り返す形が上手く機能した。そして1番はサーブミスが少なかったこと」と分析しました。

 準決勝で全国大会出場が決まった後の試合についても、「ほっとした気持ちがありましたが、チームの表情や雰囲気を見ると『優勝する』という気持ちで準備ができていた」とチームの成熟ぶりを明かしました。さらに、「大谷の中学生や大学生、学校生徒も応援に来てくれた。そういうところで優勝できた。倍嬉しいです」と応援に駆け付けた人々への感謝を述べました。そして、昨年8月に急逝したお母さんへの思いを問われると、「(いい報告が)できました。100点満点もらえると思います」。この勝利は、彼にとってかけがえのない意味を持つものとなりました。

 エースの小林巧人は優勝の瞬間、涙を見せました。「本当に1年間、周りに支えられてきた。それを思い出した」と語りました。夏のインターハイ予選で東海大札幌に敗れたことで、全国を経験することができませんでした。その中で自分たちのバレーを高めあって頑張ってきたという小林は東海大札幌との決勝に臨むにあたり、「フルセット、負けまで覚悟をしていた。でも試合に入ってからは真向勝負ということだけを考えていた」と振り返りました。

 札幌大谷は前回、準優勝での全国大会出場でしたが、今度は北海道第1代表として堂々と1月5日から始まる春高バレーの舞台に立ちます。創部6年目の新星がどんな新しい歴史を刻むのか、その戦いが注目されます。

<男子・決勝>
札幌大谷 2 (25-19、25-12) 0 東海大札幌
<女子・決勝>
旭川実業 2 (25-19、25-20) 0 札幌大谷

「春の高校バレー」男女の準決勝と決勝の模様はUHB北海道文化放送(北海道ローカル)にてダイジェスト放送されます。
男子準決勝・決勝11月16日(日)24:55~ 女子準決勝・決勝11月17日(月)24:25~

北海道文化放送
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