子どもたちも食品ロスの問題について学びます。
島根県松江市の小学校で、大手寿司チェーンが出張授業、子どもたちが「寿司」を通じて、海の環境や食品ロスの問題について考えました。
11月13日、松江市の宍道小学校で行われた出張授業。
テーマは「お寿司で学ぶSDGs」。
大手チェーン「くら寿司」と海と日本プロジェクトが共同で企画しました。
坂西美香アナウンサー:
こちらでは、子どもたちがお寿司屋さん体験ゲームを行っています。オリジナル教材を使って店舗でのお寿司の過剰提供や廃棄が出た場合など、どうするのかを考えていきます。
すし店を舞台に食品ロスの問題について考えるこのゲーム。
参加者は店員と客に分かれます。
店員は人気ランキングを参考に予測、どのネタを提供するか考えます。
一方、客はカードを引いてネタを選びますが、選んだネタと店員が流したネタが一致しないと食べることはできず、寿司は廃棄されてしまいます。
子どもたちはゲームを通して、提供するネタと客が求めるネタの食い違いが売れ残りや廃棄につながることを知り、こうした食品ロスを減らす方法について考えました。
児童:
前までは食品ロスとかわからなくてたくさん残していたけど、食べられなかったものは捨てられちゃうから、たくさん食べたほうがいいなと思いました。
児童:
食品ロスをなるべくしないように、自分たちでできることは努力してやりたいと思います。
児童:
シイラってなに?
子どもたちの前に登場したのは「シイラ」など利用が進まない魚の模型。
世界の海には約1万5000種の魚がいますが、食用として利用されるのは500種ほど。
多くは流通の問題などで商品価値が低い「低利用魚」になっています。
海の資源を守りながら、これからもお寿司を食べ続けられるように「低利用魚」にも目を向ける必要があると子どもたちに伝えました。
坂西美香アナウンサー:
旬の海鮮丼、具だくさんですよね。いただきます、うん、美味しい。実はこの海鮮丼、境港で水揚げされた天然のハマチやマグロのほか、シイラやボラといった低利用魚を利活用することでメニューにもSDGsを取り入れているんです。
シイラやボラなど低利用魚を海鮮丼に、また輸送コストが低い地元産の魚介も活用。
松江市の店舗では、境港で水揚げされたベニズワイガニのかにみそを使ったメニューも提供しています。
低利用魚もまとめて買い取ることで価格が抑えられ、海の環境保全や漁業の下支えにもつながるといいます。
くら寿司広報部・簗瀬萌枝さん:
SDGsは難しい課題かなと感じやすいんですけど、実は身の回りに(できることが)たくさんあるところを子どもたちに気づいてもらって、回転寿司という身近な題材を通して子どもたちに自分事として考えてもらいたい。
子どもたちにも人気のお寿司、環境や食の問題を考える入り口になったようです。