TSKとJALのコラボ企画。
スタジオには、JALふるさとアンバサダーの藤田エミさんです。
松江の皆さんに親しまれているお茶の文化をより多くの方が楽しめるようにと誕生した新しい「お茶」があります。
高校生の発案に応え商品化した老舗のお茶屋さんを取材しました。

松江市の中心部にある茶町地区。
松江城築城の際、働いていた人々にお茶をふるまったことから「茶町」と呼ばれるようになったと言われています。

この地で明治24年、1891年から130年以上にわたってお茶を作り続けているのが「加島茶舗」です。

JALふるさとアンバサダー・藤田エミさん:
たくさんお茶がありますね。お店の雰囲気も趣があって、伝統と歴史が感じられる店内ですね。

迎えてくれたのは、6代目の店主・加島浩介さん。
お茶の鑑定技術を認定する茶審査技術の最高位・十段を中国地方でただ一人取得しています。
店では、加島さんがブレンドしたオリジナルのお茶も販売、店内でいただくこともできます。

加島茶舗・加島浩介店主:
こちら『まるで抹茶』です。

JALふるさとアンバサダー・藤田エミさん:
どのような抹茶ですか?

加島茶舗・加島浩介店主:
まずは一口飲んでいただければ。

JALふるさとアンバサダー・藤田エミさん:
まるで、というか抹茶ですね、おいしいです。

加島茶舗・加島浩介店主:
そのお茶は、抹茶を一切使っていないお茶です。

JALふるさとアンバサダー・藤田エミさん:
使っていないのですね。そう考えるととても不思議です。

加島さんが開発した「まるで抹茶」。
お茶の葉を使っていないのに「抹茶」の味わいを楽しめます。
「カフェイン」を含んでいないので、カフェインが苦手な人や妊娠中の人、そして子どもも口にすることができます。

加島茶舗・加島浩介店主:
こちらが『まるで抹茶』に使っている原料です。

JALふるさとアンバサダー・藤田エミさん:
これは何ですか?

加島茶舗・加島浩介店主:
ほうれん草を乾燥させて砕いたものですね。

「お茶」に代わる原料としてほうれん草や小松菜、スギナやクロレラなど約30種類の食材を組み合わせました。
さらに本物に近づけるため、意外な食材も加えているといいます。

JALふるさとアンバサダー・藤田エミさん:
何が入っているんでしょう、え!

加島茶舗・加島浩介店主:
正解はバニラです。華やかな香りを入れることでより抹茶のような香りなるというブレンドです。

お茶の葉を使わずに独特のお茶の香りや色、味わいを再現するため、加島さんは約1年半、試行錯誤を重ねました。

JALふるさとアンバサダー・藤田エミさん:
なぜノンカフェインの抹茶を作ろうと思ったのですか?

加島茶舗・加島浩介店主:
1人の女子高校生が私たちのお店にやってきたことから、商品開発が始まりました。

この「まるで抹茶」、開発のきっかけは1人の高校生から相談を受けたことでした。
松江北高校の2年生・岩本実久さん。
茶道部に入ろうと考えていましたが、カフェインが体に合わず、お茶を飲むと眠れなくなってしまうため入部をあきらめていました。

その経験から「カフェインのない抹茶」を作ろうと決意、若者の課題解決の取り組みを支援する「みらチャレ」で提案し、加島さんが協力して商品化にこぎつけました。

加島茶舗・加島浩介店主:
高校生らしい発想で、お茶以外のもの、ノンカフェインの素材を入れることで、カフェインの少ない、もしくはカフェインのないものができるのはその時初めて気づかされました。

子ども:
おいしい。

11月2日の発売に合わせて、試飲販売会を開催。
市民や観光客にその味わいを確かめてもらいました。

客:
カフェインレスのコーヒーや紅茶はいっぱいあるけど、抹茶ってあんまりないのですごいなと思って来ました。今妊婦で、こういうのが飲めるのはとても嬉しいです。

客:
抹茶感、とてもあります。でもカフェインレスだから、本当に子どもから楽しめるなっていうのがあって、すてきだなって思います。

松江北高校2年生・岩本実久さん:
やっぱり抹茶を使わないで抹茶を再現するっていうことで、やっぱりそれが難しくて。本当にできて商品として売られるということで、本当になんか嬉しいなと思っています。

加島さんの店では、これまでも高校生の実習や課題研究に協力してきましたが、商品にまでなったのはこれが初めて。
創業130年を超える老舗にとっても新たな挑戦でした。

JALふるさとアンバサダー・藤田エミさん:
このノンカフェインの抹茶を今後どのように展開していきたいですか?

加島茶舗・加島浩介店主:
いろんなお店においてもらいたいという意識があります、世界にも広がっていけたらいいなというのもあります。カフェインの少ない抹茶とかカフェインの少ない抹茶スイーツとか、お客さんが選べる世の中になればいいなと思う。

高校生の豊かな発想とそれに応えた老舗の知恵。
茶どころ・松江から新たなお茶の世界を開きます。

TSKさんいん中央テレビ
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