黄川田仁志・沖縄北方担当相が北海道根室市の納沙布岬で「一番外国に近いところ」と発言した問題で、鈴木直道知事が元島民に謝罪するよう求めていたことが分かりました。

 鈴木知事が11月14日の記者会見で明らかにしました。

 黄川田氏は8日、就任後初めて北方領土が見える納沙布岬を訪問。報道陣に感想を聞かれ「(納沙布岬は)一番やっぱり外国に近いところですから。それをやっぱり目で感じるっていうのが大切だ」と述べました。

 この発言を黄川田氏の真後ろで聞いていた鈴木知事は14日の会見で「聞いた瞬間に『これはどういう意味だ?』と思った」ということです。

 その上で「大臣と2人で真意を確認しようと話をした。北海道としては看過できない(と伝えた)」と明かしました。

 黄川田氏は鈴木知事に「真意が正しく伝わっていない」と答えましたが、鈴木知事は「そうだったとしても元島民の方が傷つく発言は慎んでもらいたい」と伝え、謝罪を求めました。

 黄川田氏は「誤解を与えたことに知事や元島民の皆さんに、おわび申し上げたい。担当大臣として引き続き、北方領土問題に全力で取り組む」と話したということです。

 鈴木知事は黄川田氏の去就について「北方領土問題だけでなくアイヌ政策など、北海道においても重要な政策を担当されている。各分野における理解を深めていただいて、大臣としての職務に尽力していただきたい」と話しました。

 外務省によりますと、北方領土は「日本固有の領土」ですが、1945年にソ連に占領されてから、今もロシアによる不法占拠が続いています。

 黄川田氏の発言は政府の立場とは相いれないもので、「北方領土がロシアと認めた」と誤解されかねない発言として問題になっていました。

北海道文化放送
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