八代広域消防本部は、部下の体をボクシンググローブで殴るなどのパワハラをしたとして、男性消防司令補を停職に、また酒に酔って飲食店の女性従業員に暴行を加えた隊員を戒告処分とした。また、八代広域消防本部は組織内のパワハラ防止策の一環として勤務中の『筋トレ』を禁止する指示を出したことが分かった。
ボクシンググローブ付け部下を殴る
八代広域消防本部は11月11日に会見を開き「誠に申し訳ありませんでした」と陳謝した。11月10日付で停職1カ月の懲戒処分となったのは、八代広域消防本部の44歳の男性消防司令補。

消防本部によると、この消防司令補は2024年7月に、消防署内で筋トレ中に部下の男性隊員の肩をボクシンググローブを付けた状態で殴打。さらに2025年5月には、訓練中に同じ隊員の体を押し、バランスを崩した隊員が消防車両にぶつかり腕を負傷する2件のパワハラをしたという。

消防本部は隊員が腕を負傷した事案について「突き飛ばしたわけではなく、訓練中に偶発的に当たっただけで傷害ではない」と説明している。
酒に酔った状態で女性に暴行の隊員も
また、戒告処分となった35歳の男性消防士長は2025年5月に酒に酔った状態で八代市内の飲食店を利用。女性従業員にふざけて肘打ちを寸止めする行為を繰り返していたところ、誤って肘が女性の顔面に当たったという。

消防本部は「職員への指導を徹底する」としている。また、八代広域消防本部の管理者である八代市の小野泰輔市長は「人間関係が消防署はどうしても上司が(部下に)強く命令する関係にある。組織風土でパワハラが起きやすいような環境。管理者としてこれからどうするか定めていきたい」と述べた。
パワハラ事案受けて『筋トレ』禁止令
八代広域消防本部では、2025年2月に行ったハラスメントアンケートで、過度な負荷をかける筋トレの強要や強制的なトレーニングによるケガや暴力を指摘する回答が寄せられていた。

また、消防署内で筋トレ中に部下の男性隊員をボクシンググローブで殴ったとして、40代の男性消防司令補を停職1カ月の懲戒処分にしたこと受け、消防本部では再発防止策の一環として、11月12日に全職員に当面の間、勤務中の筋トレを禁止する指示を出したという。

今回の指示について一部の隊員からは「パワハラの原因は筋トレではないはず。何の意味がある指示なのか」と疑問視する声が上がっている。
(テレビ熊本)
