東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働の是非をめぐる動きが大詰めを迎える中、新潟県の花角知事は福島第一原発を11月18日に視察する方向で調整を進めています。
【花角知事】
「まさに多様な意識を探るということで行ってきたものなので、全体の傾向値みたいなものは、なんとなく把握できるかなと思っている」
花角知事がこう話したのは、柏崎刈羽原発から半径30km圏内の9市町村を対象にした県民意識調査の補足調査について。11月11日、その結果が公表されました。
『どのような対策を行ったとしても再稼働すべきではない』という問いに対しては「そうは思わない」「どちらかと言えばそうは思わない」という再稼働を容認する回答が57%となりました。
すでに実施した全30市町村での調査よりも7ポイント高くなっています。
一方、再稼働の条件については、「整っていると思わない」が「どちらかと言えば」も含めると61%で、全市町村で行った調査とほぼ同じ結果となりました。
安全対策や防災対策に関する知識量が増えるほど、「条件が整っている」と考える人が増える傾向にあることも明らかになっています。
【花角知事】
「安全対策、あるいは国や県の防災対策、そうしたものの取り組みが県民に伝わっていないというか、認知されていないのが数字としても実感された」
佐渡市の渡辺竜五市長も国や東電などの説明が不足していると指摘。
【佐渡市 渡辺竜五 市長】
「私は、まだまだ足りないと思っていて、もう大丈夫だということであれば、30km圏内・50km圏内ではなく、県民全体に発信をしてほしい」
ただ、県民意識調査の結果が補足調査も含めまとまったことで、花角知事が再稼働の是非を判断する材料としてきたものは全て出そろい、近く、その判断が示される予定です。
11月14日に柏崎刈羽原発を視察する予定の花角知事は、さらに福島第一原発も18日に視察する方向で調整しています。
【花角知事】
「最終的には柏崎の判断にも関わってくるかもしれないが、何が起きたのか、それが今どうなっているのかは肌で確認したい」
帰宅困難地域や復興が進む地域の現状を把握する考えで、12月県議会が始まる12月2日までには花角知事の再稼働に対する考えが示される見通しです。