11月16日投開票を迎える福島市長選挙の争点、今回は「メガソーラー問題」。さまざまな問題が浮き彫りになるなか、市民の声に耳を傾ける姿勢が求められている。

■先達山メガソーラー・対話求める市民団体

赤や黄色に色付く秋の吾妻連峰にくっきりと浮かび上がる黒い太陽光パネル。2025年9月末に商業運転が開始された「先達山太陽光発電所」だ。

「これがなかったら、どれだけ心安らかだったろうかなって思いますね」と話すのは、市民団体『先達山を注視する会』の代表を務める松谷基和(まつたにもとかず)さん。これまで3回にわたって発電所の管理運営を行うAmp(あんぷ)社を市内に招き、対話を行ってきたが、7月以降やり取りが途絶えている。

注視する会の松谷さんは「代表者として住民の皆さんと話しますっていう人をきちっと出させるというか。早く戻ってきて欲しいわけですよ。今までやってたAmp社との対話会の続きですね」と話す。

■メガソーラーの規制にも限界が

26のメガソーラーが立地する福島市。市は2025年4月から規制条例を施行し、市内の面積の約7割を禁止エリアに設定。既存の施設にも立ち入り検査ができるようにするなど抑止に乗り出したが、その権限には限界がある。

福島市環境政策課の宍戸郁夫課長は「(条例の)義務規定に違反したときに、行政指導なり、または措置命令ができるという規定になっておりますので、やみくもに全てにおいて行政指導をするということが難しいという状況です」と話す。

実際、先達山太陽光発電所をめぐっては、太陽光パネルからの光の反射について検証を行うことなどを繰り返し要請しているが、対応は先延ばしにされている。
宍戸課長は「事業者対応としては遅いというふうに感じています。ですから、そこは私どもも譲るつもりはなくてですね。基本的には私たちが要請している光害・景観そして市民対応、これについては引き続き求めていくという考え方です」と語気を強める。

■市と県の統合窓口を

大規模な盛土による土砂災害も懸念もされるなか、松谷さんは市と県が連携して対応する必要があると指摘する。「メガソーラーに関するものは関係部署の統合窓口っていうんですかね。そこの窓口を作ってもらって。これだけ問題が大きくなっているわけですから」と松谷さんは話す。

新たな課題が次々に浮上するメガソーラー。不安を取り除く努力がリーダーに求められている。

■「メガソーラー」各候補者の主張

福島テレビが各候補者に行ったアンケートの結果を見ていく。
新人の馬場雄基さんは「条例での対策には限界があり、法律改正に向けた動きを県や類似課題を持つ自治体と連携して福島型の提案を実現する」としている。

現職の木幡浩さんは「再エネ条例によりメガソーラーの設置を抑制、既存施設は条例の権限で災害発生等が生じないよう適正管理を徹底する」とした。

新人の高橋翔さんは「行政の責任と負担によって事業者には撤退、原状回復で落とし所をつける交渉をしていく」としている。(※「高」は正式にははしごだか)

福島テレビ
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