朝晩の冷え込みが少しずつ強くなり冬が近付くなか、感染が拡大しているのが“インフルエンザ”だ。
■注意報から警報レベルに感染拡大
先週の時点で1つの医療機関当たりの報告数が15.98と、“10”を超え例年より1ヵ月早く注意報レベルになった。そして11月12日公表された最新の感染状況では34.63となり、前の週から2倍以上に増加。“30”を超え警報レベルになった。
県内の保育園や学校では、71の施設で学級閉鎖などの対応が取られていて、警戒が広がっている。
■基本的な感染対策を徹底
福島市の清水幼稚園。2週間前に、2人の園児がインフルエンザで休んだが、幸いにも感染の拡大はなかった。清水幼稚園の渡部友美子主任は「子どもたちも、お友達が(インフルエンザに)かかったので、”自分ごと”と捉えて「頑張らなくちゃ」と、普段よりも、より一生懸命うがい・手洗いしていたかな」と話す。
心がけているのは、基本的な感染対策の徹底だ。女の子は「ばい菌とか入らないように、いつも手洗い・うがいしてる」と話す。
外で遊んだ後や、食事の前には、手洗い・うがい。窓は常にあけて換気しながら加湿器で湿度50%以上を目安に空気の乾燥を防いでいる。
清水幼稚園の渡部主任は「本園でも(インフルエンザが)流行ってきたときには、(おもちゃの)アルコール消毒をしたりですとか、ご飯を食べるときには優しい小さな声でお話をして。基本的な事を積み重ねていれば、蔓延ってあまりないのかなとも思いますので、気を付けて見ていきたいなと思っています」と話した。
■医療機関も警戒
一方、警戒は医療機関にも広がっている。
とみたキッズクリニックの富田陽一院長は「流行はもうどんどん続いている、広がってきているという感じ」と話す。
この時期は例年、インフルエンザの患者は週に数人だが、今年は早くも60人に上る週も。「流行が早かったので、予防接種受けようと思ってても急にインフルエンザに感染しちゃったっていう人もいたりしたので、なかなか接種が追いつかなくてっていう」と冨田院長は話す。
■痛くない経鼻ワクチン
そうしたなか広がっているのが、2024年から始まった“痛くない予防接種”だ。「”フルミスト”っていう生ワクチンで経鼻のワクチンですね。注射と違って痛くないので」
鼻からワクチンを流し込み、インフルエンザウイルスの侵入口の一つである鼻の粘膜などに直接免疫を成立させる。接種の対象は2歳から18歳に限られているが、痛くないだけでなく接種回数が1回というのも大きなメリットだ。
とみたキッズクリニックの富田院長は「手洗いうがいだったり、あとはマスクだったりとか、あとは予防接種打っておくこともすごい大事ですね」と予防対策を話した。