ちょっと珍しい食への取り組み。白鷹町では特産のアユの天敵であるブラックバスを粉末にして肥料として活用している。その肥料で育てたサトイモを使った芋煮会が行われた。

(住職による供養)
「ブラックバスも、小魚を食し、育ち、いま大地に還りて…」

白鷹町のパレス松風に集まった人たちが「供養」しているのは、ブラックバス。

町は特産であるアユを天敵のブラックバスから守ることを目的に、「ロングラン釣り大会」を5年前に始めた。
開始当初、“釣られたブラックバス”はすべて廃棄されていた。

これに対し、最上川の環境保全などを目的に活動する「最上川229ネットワーク」の共同代表・今野正明さんが“粉末に加工して畑の肥料にしよう”と考え、鶴岡高専と協力して加工の方法や有効な土壌について研究を続けてきた。

「ブラックバスの魚粉を入れます」

2025年には町内のトマト農家が試験的に導入を始めるなど、取り組みは徐々に広がりをみせている。

この日は、2024年に続き“ブラックバス肥料”をまいた畑で育てたサトイモを使った芋煮会が開かれた。
町民を中心に約70人が集まり、大きく柔らかく育ったサトイモを味わった。

(参加者)
「やわらかくておいしい。自分で作るより数段おいしい」

「再利用ですよね。おいしく私たちがまた食べるのは、発想豊かな考え方。『すごいぞ、頑張れ!』という感じ」

(トマト農家・土屋明美さん)
「今度は実際に活動や商品に興味を持ってくださる消費者に伝わっていくように、この輪が広がるようにしないといけない」

(最上川229ネットワーク共同代表・今野正明さん)
「最上川を愛する心・思いを、ブラックバス・命を通して伝えていきたい。問題の解決をみなさんで楽しみながらやっていけば、面白いものになるのかなと考えている」

最上川229ネットワークは、今後も自然環境の保全や外来種の駆除に取り組むほか、農業・経済が循環する仕組みづくりを目指して活動を続けていくとしている。

さくらんぼテレビ
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