金沢大学附属病院で販売が始まったお弁当です。使われているのは地震や津波の被害を乗り越え能登で育てられた「オーガニック養殖」のサクラマス。いったいどんなものなのか取材しました。
金沢市の金沢大学附属病院。2階にある売店前にきょう並べられたのが…
稲垣アナウンサー:
能登サクラマス弁当。金沢大学が能登で養殖した安心・安全なサクラマスを使ったお弁当なんです」きょうから販売が始まった3種類のお弁当。バター焼きにフライ、卵とじ…どれもサクラマスを使ったおかずが入っています。
このサクラマスを養殖しているのは…。
稲垣アナ:
たくさんいますね
松原センター長:
大体1000から1200匹ぐらい飼育しています」能登町にある金沢大学の研究施設、能登海洋水産センターです。
ここで行われているのは「オーガニック養殖」の研究。紫外線殺菌した九十九湾の海水と地元の井戸水の淡水を配合した水を使い、寄生虫を駆除する薬などを一切使用せずにサクラマスを育てています。養殖されたサクラマスはこれまで金大病院の患者向けの病院食としても提供されてきました。
松原センター長:
魚の水槽に水が供給することができなくなっている。さらに酸素を送る管が断裂して供給できなくなった。そのためにほとんどが酸欠死という状態になりました
施設は地震と津波の被害を受け、2万6000匹以上の魚が死んでしまいました。きょうから発売の弁当に使われているのはそんな中でも生き延び、成長したサクラマスです。
松原センター長:
(復旧には)やはりとても時間がかかったというのが正直なところです。ただそういう中でも魚が一生懸命生きて大きくなってくれたのはとてもうれしいことでした
先月の先行販売で好評だったことからきょうは前回のおよそ1.5倍、150食分用意されたサクラマスの弁当。購入した人は…
お客さん:
能登はいま大変なので、少しでも『能登の』と書いてあるものを買い求めるようにしているんですけども…きょう出会ったことが嬉しくて頂きました
販売の様子を見守っていたのは、弁当メニューを考えた調理師たち。
調理師:
震災もあって大変なこともありましたけど、少しでも笑顔が出るように心を込めて作りましたのでそういった思いも含めて食べて頂きたいなと思います。気合い入れて作ったので、完売間違いなしと思っています
弁当は無事、お昼過ぎに完売。今後は週1回のペースで来月上旬まで販売されます。
松原センター長:
薬を使わない魚を養殖しているということでそこは安心だということでその安心さを召し上がっていただけたらと思います