12日から舞台を参議院に移して行われた、予算委員会。
高市首相と、1年ぶりに国政に復帰した立憲民主党の蓮舫議員が“初対決”しました。
蓮舫議員は冒頭、「ずいぶん前に深夜番組ご一緒したときに、こういう立場になると思わなかったが、政治信条や政策の優先順位は違うが、心から高市総理にがんばってほしいと願っている。体にも気をつけてがんばっていただきたい」と高市首相にエールを送りました。
高市首相:
ありがとうございます。体にも気をつけて。でも、これまでの積み上げがあります。政治家としてやり抜きたいこと、しっかりとやらせていただきたい。
かつて、テレビ番組で一緒に司会をしていたという2人。
しかし、ほのぼのとした雰囲気はここまで。
蓮舫氏はいわゆる“裏金議員”の1人、佐藤啓参議院議員を重要なポストの官房副長官に任命したことなどを追及しました。
立憲民主党・蓮舫参院議員:
不記載議員を登用した、とりわけ選挙を経ていない佐藤官房副長官をなぜ任用したのでしょうか。
高市首相:
(佐藤副長官が)奈良県ということもあります。私の考え方とか性格を含めてよく承知してくれていて、私にとって耳の痛いことも直言してくれる存在でもありますので、私は深い信頼を寄せております。
立憲民主党・蓮舫参院議員:
私は自民党さんの人材がそんなに乏しいとは思っていない。他にも優秀な人はたくさんいると思っている。この人事いったん白紙にしませんか。
高市首相:
一度任命したものを白紙にするつもりはありません。
政治とカネへの対応を巡り、厳しい追及を受けた高市首相。
11日は野党の女性党首・共産党の田村委員長と激しい論戦を展開。
事のきっかけは先週の予算委員会での台湾有事を巡る、高市首相の「やはり戦艦を使って、そして武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケースであると私は考えます」といった発言でした。
この発言に田村委員長は「一国の総理大臣が国会の場で、台湾という地域をあげて、有事の具体例を想定して発言する、このこと自体が軍事的危機をあおることになります。発言そのものを撤回するべきではないか」と発言。
高市首相:
ご指摘の私の答弁は、政府の従来の立場を超えるものではないので、撤回の必要はないと考えている。
共産党・田村委員長:
総理は問題をわかっていないと思います。危機をあおるようなことを一国の総理大臣が国会の場でいうべきではないんですよ。
高市首相:
台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待する。我が国の従来から一貫した立場。
さらに、高市首相が所信表明演説で防衛費をGDP比2%へ引き上げる目標を前倒して実現すると表明したことについても…。
共産党・田村委員長:
憲法にも、平和にも、暮らしにも、すべてに関わる重大な問題なのに、参議院選挙で自民党の公約になかったですよね。それが突然、補正予算まで組んで今年度中に2%を達成すると。これ一体どういう分野でいくら積み増すということなのか。
高市首相:
例えばドローン対処機材の整備など自衛隊の活動基盤の強化、自衛隊における人的基盤の強化、自衛隊の運用体制の早期確保など含めて、必要な経費の計上を考えている。さらにお知りになりたければ防衛大臣に答弁をさせます。
小泉防衛相は「今世界を取り巻いている安全保障状況はめまぐるしく動いている。そういった中でドローン対処機材、そして災害対処機材の整備など、加速して進めなければならないのは私は当然だと思いますし、理解を得られることだと思っている」と述べました。
これに対し田村委員長は「聞いていることに答えてないんですよ!防衛大臣が先ほど言われたことが問題だったら、参議院選挙の公約に掲げればいいじゃないですか。2%前倒ししますって、掲げてないじゃないですか、自民党は!」と話しました。
高市首相:
ロシアとウクライナの戦争の状況を見ても、明らかに戦い方が変わってきている。そういった中でニーズがあるものにしっかりと予算をつけていく。当たり前じゃないでしょうか。
途中、枝野予算委員長が「不規則発言は慎みください」とやじを注意する場面も。
田村委員長は、「もう戦争の準備が当たり前。憲法上の規定は関係ないという答弁に聞こえる。日本が行うべきは主体的な外交努力。日米同盟が絶対でアメリカに付き従って、軍事力強化に突き進むということではないと思う」と、さらに追及。
高市首相は「外交努力、外交努力といいますが、外交が大事なのは当たり前です。だけれども、それだと世界のどこでも戦争は起こらないはず。現実に起こっているわけです」と反論しました。
約40分にわたった論戦。
予算委員会は13日も行われます。