仙台育英学園は、高校サッカー部で発生した「いじめ重大事態」について、調査で判明した詳細な内容を公表した。
学校は、部内での一連の行為を「構造的いじめ」と認定し、年末に開幕する全国高校サッカー選手権大会を含む年内の対外活動をすべて停止すると発表した。
学校によると、男子部員は2024年5月以降、いじめを原因で部活動に参加できない状態が続いていた。
2025年10月、被害生徒が再びいじめを訴えたことを受け、全53人の3年生部員と顧問団に詳細な聞き取りを行った結果、
「部内規律の名のもとに連帯責任の罰則が慣例化し、上下関係が固定化した中で、特定の生徒が疎外され、いじりや強要につながっていた」ことが確認されたという。
学校はこの状況を「一部の生徒だけでなく、顧問団を含めた組織全体の人権意識の欠如による構造的いじめ」と判断し、被害生徒と保護者に対して「深くお詫び申し上げる」と謝罪した。
また、「サッカーという競技を許しがたいものとさせてしまったことは教育機関として慙愧に堪えない」と述べた。
このため仙台育英は、12月末までサッカー部の対外活動を停止し、全国大会出場を辞退。
顧問団に対する人権研修と、全員との二者・三者面談を実施して再発防止に取り組むとしている。
さらに、今回の調査を踏まえ、学園内の全ての部活動(約2000人)を対象に「いじめの有無」を確認する調査を実施。
その結果、他の部活動でも構造的課題が見つかった場合は、追加の詳細調査を行う方針である。
学校は「いじめは人間として絶対に許されないという姿勢に変わりはない」と強調し、
被害生徒が「再びサッカーを楽しめる日が来るよう努めていく」としている。