<J2第35節ジェフユナイテッド千葉5-2北海道コンサドーレ札幌>

 明治安田J2リーグ第35節、北海道コンサドーレ札幌(11位)は11月2日(日)、フクダ電子アリーナ(千葉県千葉市)で、ジェフユナイテッド千葉(3位)と対戦し、2-5で敗戦。他クラブの結果次第で僅かに残っていたJ1昇格の可能性が無くなりました。

 試合立ち上がりに先制を許した札幌でしたが、1トップのポジションで先発起用されたMF荒野拓馬選手(32/札幌市出身)を軸に攻撃を展開し、千葉ゴールに迫ります。すると前半21分、右サイドの深い位置をとったMF近藤友喜選手(24)の折り返しを荒野選手が相手ディフェンスに体を当てながらスルー。このボールを、タイ代表MFスパチョーク選手(27)が決めきり、同点に。その後も再三猛攻を仕掛け、前半に放ったシュートの数は9本。千葉の6本を上回ります。

 しかし後半5分、クロスから千葉に勝ち越しゴールを奪われると、後半10分にも自陣でのボールロストからクロスを上げられ、立て続けに失点。ホーム開幕戦となった3月の対戦でも苦しめられた千葉の幅を使った攻撃に手を焼きます。

 札幌はその後も失点を重ね、1-5で迎えた後半アディショナルタイム3分、途中出場のMF青木亮太選手(29)がゴールネットを揺らし一矢報いるも、大敗。大挙した約2400人のサポーターの声援に応えることはできず。2016年以来9年振りとなったJ1昇格をめぐる旅は、リーグ戦3試合を残して終焉を迎えました。

 8月にシーズン途中解任となった岩政大樹前監督(43)の後を受け、第26節から指揮を執る柴田慎吾監督(40)はこの現実に「自分自身の至らなさ、力不足だと思っています」、「やっぱり”日常”のところ、基準だとか意識だとかをもう一個、二個、高めていかないと。それが、こういうゲームではピッチ上に出ると(試合終了後のミーティングで)高嶺キャプテンも伝えてくれました。残り3試合、たくさんの方々の思いに応えられるよう、姿勢・プレー・結果で示すしかない。言い訳は無しで」と唇をかみました。

“不屈の男”の花道に、”J1昇格”を添えることは叶わなかった―

 この試合、今シーズン限りでの現役引退を表明しているMF深井一希選手(30/札幌市出身)が、4月に行われたvsRB大宮アルディージャ(A)以来、24試合ぶりに出場。後半32分からピッチに立つと、チーム2得点目の起点となるなど、およそ18分間のプレーで確かな存在感を残しました。

 自身の現役ラストマッチとなる最終節をJ1昇格達成の歓喜とともに終えることは叶わず。小学4年からクラブ一筋、キャリア5度の手術から幾度も復活を遂げてきた”不屈の男”は、「この試合だけじゃなくて、クラブとして色々と見つめ直して変わっていかなければいけない」と危機感を口にした上で、「かなりの点差がありましたけど、あれだけ応援してくれるサポーターの方たちがいる。その声援を聞くと”何とかやってやろう”という気持ちになりますし。年間を通して、どれだけ苦しい時でも後押ししてくれている。プレーで恩返ししないといけない」と、現役生活残り3試合への思いを口にしました。

北海道文化放送
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