メジャーリーグのワールドシリーズでロサンゼルス・ドジャースが球団初の連覇を達成しました。
ドジャースとトロント・ブルージェイズともに死力を尽くした戦い。
大谷翔平選手(31)は二刀流出場、山本由伸投手(27)はMVP獲得の活躍で世界一に輝きました。
大谷選手の“異例の二刀流”に、山本投手は“異例の連投”で、9年ぶりに最終戦までもつれたワールドシリーズを、持てる力を出し切ったドジャースが大逆転劇で制しました。
勝ったチームが世界一となる一戦に、大谷選手が中3日で志願の先発登板。
二刀流でワールドシリーズ連覇に挑みました。
一方、大谷選手の地元・岩手・奥州市もパブリックビューイングを開催し声援を送りました。
注目の一戦へ、まずは初回の先頭バッターとして第1打席に臨む大谷選手はセンターへ2試合連続ヒット、しかし後続が続かず得点が奪えませんでした。
そしてマウンドにのぼった投手・大谷。
立ち上がりは制球に苦しみ2回には満塁のピンチを背負いますが、見事、三振で切り抜けました。
それでも調子は上がらず、続く3回もランナー2人を背負うとブルージェイズの4番・ビシェット選手にスリーランホームランを浴び先制を許しました。
3失点の投手・大谷は、ここで降板し打撃に専念します。
3点を追いかけるドジャースは4回にワンアウト満塁のチャンスを作り、テオスカー・ヘルナンデス選手。
ブルージェイズのファインプレーが飛び出しますが、犠牲フライとなり1点を返しました。
さらに続く5回に大谷選手がバットで再びチャンスを作りました。
この日、2安打目となるライト前ヒットでランナー1塁2塁とし大谷選手も雄叫びを上げました。
ホームランが出れば逆転でしたが、ここも後続が続かず無得点に終わりました。
このあと両チーム1点ずつを加えた8回に5番・マンシー選手のソロホームランで1点差。
逆転を信じ、11月1日の勝利投手・山本投手がまさかの投球練習を始めました。
そして試合は9回、ネクストバッターに大谷選手を置いてロハス選手の打席、レフトへ起死回生の一発でついに4-4の同点になりました。
大谷選手も両手を広げ喜び、山本投手は上着を脱ぎ臨戦態勢へ。
9回、同点に追いついたドジャースはそのウラにピンチを招くと、ついに山本投手がマウンドへ。
ワンアウト満塁とサヨナラ負けの大ピンチに、同点ホームランのロハス選手が好返球し2アウト。
続くバッターは山本投手も思わず座り込む大きな当たりで、必死に打球を追う外野陣、最後はパヘス選手がスーパーキャッチ。
試合は第3戦に続く延長戦に入りました。
その後も続投を続ける山本投手を援護したい大谷選手は、延長11回の第6打席。
一発の期待も高まりましたが、ここはセカンドゴロに倒れてしまいました。
それでもキャッチャーのスミス選手が値千金の大仕事。
2年連続の世界一へ勝ち越しのソロホームランで初めてリードを奪ったドジャースは、そのウラを抑えれば世界一。
11回も投げ続けた山本投手はランナーを背負いますが、得意のスプリットでバットを折り、ダブルプレーに抑えました。
ドジャースが球団初のワールドシリーズ連覇達成。
胴上げ投手の山本投手はシリーズ3勝目で、志願の二刀流を見せた大谷選手とともに、チームを世界一に導きました。
そして迎えた優勝セレモニーでは、大谷選手も2024年に続き2度目のトロフィーを掲げました。
ロバーツ監督:
(Q. 山本投手はまだまだ投げられたかも!?信じられないです!)山本は史上最高!彼は最高!
ワールドシリーズのMVPに選ばれたのは山本投手でした。
山本由伸投手:
(Q. 6回を投げた翌日の登板)ブルペンに行くまで投げられるか本当の自信はなかったが、もうなんか分からないけど最高です。
まさに総力戦となったワールドシリーズで山本投手は、第2戦で完投勝利を収めると延長18回の死闘となった第3戦でもブルペンに入る“男気”を見せ、11月1日の第6戦でも6回を投げきり勝利投手となりました。
第6戦後、「(明日も)もちろん『行け』と言われたら行きますが、できれば応援をがんばりたい」と話していた山本投手。
“応援”では済まなくなった最終戦に、異例の連日登板でマウンドに登ると無失点でしのぎきりワールドシリーズ3勝目をあげ、松井秀喜さん以来、日本人2人目のMVPに輝きました。
山本由伸投手:
もうできることは全部できましたし、このチームで優勝できて本当にうれしい。
そして歓喜のシャンパンファイトでは大谷選手が山本投手を抱っこし“日本人トリオ”で記念撮影する場面も。
ドジャースの地元、ロサンゼルスの街も歓喜に包まれ、東京・銀座では“世界一”を伝える号外も配布されました。
山本由伸投手:
応援してくれたみなさまありがとうございます。頑張って本当に良かったです。また頑張りますのでよろしくお願いします。