3年前、熊本県立大津高校サッカー部に所属していた男性が上級生に全裸で土下座をさせられるなどした問題について専門家でつくる調査委員会は『いじめ』と認定する報告書をまとめました。報告書では、全国でも強豪として知られ、多くの部員を抱える大津高校サッカー部について、「『いじめ』が発生するリスクが高い集団である」とも指摘し、その特徴を踏まえた対策を講じることなどを求めています。

2022年1月、当時1年生で県立大津高校サッカー部に所属していた男性が遠征先の宿泊施設で、先輩にあだ名を付けたと疑われ、全裸で土下座をさせられた上、その様子をスマートフォンで撮影されました。

この問題をめぐっては学校が『いじめ』と認定し、去年1月に設置された外部の専門家でつくる調査委員会が関係者20人に聞き取りを行うなどして調査を進めてきました。

そして31日、原村 憲司 委員長が大津高校の浦本 清隆 校長に調査報告書を手渡し、男性に対しても非公開で説明を行ったということです。

報告書では、男性が裸で土下座をさせられたことについて『いじめ』と認定。

その上で、「部内では『いじり』と呼ばれる行為が行われていたが、部員や指導者が「『いじめ』や『いじめにつながるものではないか』といった視点で受け止めていた様子がうかがえず、部員に対する教育や指導者の知識などが十分ではなかった」と指摘しました。

また、全国的にも強豪として知られる大津高校サッカー部には当時176人が所属していて、「『いじめ』が発生するリスクが高い集団」であるとも言及し、その集団の特徴を踏まえた対策を講じることなどを求めています。

【大津高校いじめ調査委員会 原村 憲司 委員長】
「『全国大会などで活躍したい』と夢を見て大津高校に入学し、サッカー部に入る生徒が多いと思うが、全国大会などで活躍できる部員は限られていて、『入学したときの夢が実現できない』という悩みを持つ生徒がかなりいると思われる」

さらに、男性の家族が連絡するまで県教育委員会がこの問題を把握していなかったことについては「高校が早期に連絡すべきであった」としています。

【大津高校 浦本 清隆 校長】
「精いっぱい、未然防止等に取り組んで子供たちの心に訴えかけるような呼びかけをしている。ゼロになったわけではないが、『いじめ』がない誰もが大津高校に来たことを後悔させないような学校づくりをこれから進めていきたい」

テレビ熊本
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