IR汚職事件で、衆議院議員の秋元司被告(48)に賄賂を贈った罪で有罪判決を受けた中国企業の元顧問紺野昌彦被告(49)が、FNNのインタビューに応じ、現金を渡した際の詳細な状況などを証言した。

インタビューのやりとりは以下の通り。

インタビュー受ける紺野昌彦被告(49)
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「日本政府のIR担当副大臣」と認識し付き合いを深めた

--秋元被告と知り合った経緯は? 
(紺野昌彦被告、以下略)
初めて秋元さんとお会いしたのは、2017 年8月のシンポジウムで名刺交換させて頂いた際ですね。

--沖縄のシンポジウムですか? 
そうですね。元々深いお付き合いということなくスタートしました。8月4日に沖縄で開催されたシンポジウムのその日の夜に、秋元さんがIR担当の内閣府副大臣と国土交通副大臣に拝命受けたとご連絡頂いた。急にそこから。もともとそういうのありき、というわけではないですね。

--秋元被告がIR担当に就任し、ご自身の会社がIR系の会社だということで、付き合い深くなったということですか? 
そうですね、そういう感じですね。元々、僕自身も深く存じ上げなかったというのもあるし、名前自体も聞いたこと無かったぐらいなので、それまでは。 

--そこから事件に至るまでの経緯は? 
入閣しても一年半とか二年で、内閣改造とかで変わるじゃないですか。(秋元の立場は)一時的なものという認識は十二分に思っていましたけど、(500.com社)は外資系じゃないですか。外国人に関しては、この時期にIR担当の副大臣になるというのは、そういう方なのだと会社側が大きく認識したというのは否めないと思います。 

--議員会館でお金を渡すに至った経緯は? 
8月に秋元さんが入閣して、その一ヶ月後に解散総選挙となったじゃないですか。会社としてはIR担当の副大臣に就任したと。当然、継続してもらう方が会社にとってメリットだろうと判断したと思いますね。 

会社側がお金を用意し、議員会館で渡した

--お金渡すと判断したのは500.com社ですか? 
そうですね。基本的に当然ながら日本では例えば春とかに、政治家とかの皆さんが集会開いて、献金パーティーとかやられたりという風習あるよという話はしています。解散があった場合でもそういった形で支援する会社は多いと話してます。 

--お金はだれが準備したのですか? 
会社側、500.com社が当然用意しています。日本の上場企業を介して、シンガポール法人を介してから、私の方に来たという感じです。 

--議員会館を訪問してお金渡した当日の朝からの流れは? 
当日は別件の打ち合わせで別の会社で打ち合わせしていて、(仲里勝憲被告と)議員会館で待ち合わせして。僕は渡したっていうか付き添いした、という感じ。持ってくる原資自体は僕自体が預かっていたので、その議員会館の下で同行者(仲里被告)に渡して、会館では彼が(秋元被告に)渡して僕は横にいるという感じですね。 

紺野昌彦被告(左)と仲里勝憲被告(右)

300万円を菓子折りの中に

--どこでどう渡したのですか? 
議員会館の秋元さんの居室ですけども。僕が渡したんじゃ無く、僕は横にいて、菓子折の中に入れている状態で、彼(仲里被告)が僕の横に座っていて、秋元さんが正面に座っていて、それでお渡し。彼(仲里被告)が渡しているという。僕は横にいるだけ。 

--渡した際の言葉や秋元被告の返事は? 
あんまりはっきり覚えていないんですよ。というのは、本当にその時点で秋元さんとは二度しかお会いしていないので、次の約束、その後すぐにフライトあったので、それのスケジュールで携帯触ったりとかしていて、ほんと(仲里被告に)任せっきりという感じなので「急な解散で大変でしたよね」とかっていう型取りのお話しかしていないですね。 

--現金授受があったのは間違いないですか? 
そうですね 

--その際、秋元被告の元秘書の豊島被告にも渡していると思うが、その時のやりとりは 
全然見て無くて、いつの間に渡したのか分からずに、(部屋を)出たあとに「いつの間に渡したの?」と(仲里被告)本人に確認したくらいなので。同じく別の菓子折の箱に入れて別で帰るときに渡したと聞いてはいますね。 

--秋元被告に現金いくら渡した?
300万円ですね。

--豊島被告には 
50万円と聞いています。

--渡したのは間違いない? 
そうですね。

現金授受の2年後に特捜部から聴取

--それが事件になったが、いつ頃特捜部の聴取始まりましたか? 
2019年の12月の頭からですね。7日ぐらい。 

--現金授受からどれぐらいですか? 
2年ぐらいですか。 

--突然、特捜部から連絡があったのですか? 
連絡来たというか、海外出張から帰ってきて、那覇空港に入ってパスポート出した瞬間に囲われましたね。 

--心当たりはありましたか? 
全くなかったので。こういう事件起こしてしまってこういう言い方するのは心苦しいんですけど、本当に全般的に事件に携わっているとか、重犯罪を犯しているという認識がほぼ無かったので、本当にビジネス的な感覚でやっていたので、正直来られたときに、何の為に来たのって理解できるまでに1時間ぐらいかかりましたね。 

--その後、連日聴取を受けるように? 
そうですね 

--捜査には協力的でしたか? 
そうですね 

--お金を渡したことが違法だと認識していましたか? 
IRと言う仕事のオファーを頂いてから、私自身が受けるまでに結局半年ぐらい時間があるんですけど、当然こういった大型の事業の場合、当然こういうことも出てくるでしょうし、やはりこういう言い方も不適切かも知れませんけど、大きな利権じゃないですか。で、こういうことも出てくるだろうというのは織り込み済みで仕事を受けているというのもあったので、そういうときが来たのかと素直な感じで受け止めましたね。 

--300万円渡して秋元被告はどんな便宜を図りましたか? 
結局、その後という形にはなると思いますけど、その時は純粋に衆議院が解散したので本当に陣中見舞いという感覚ですね。これによってどうのという、強い意識はその時点では。会社としては多いに合ったと思いますよ。我々的には、本当にお中元、お歳暮的な季節の挨拶、解散したし、就任したらそれのご挨拶とか、そういう流れ作業の感覚でしたね。会社側の意図としては全く違うところにあったと思いますけど。 

--秋元被告から見返りに何ももらってないと? 
その段階では、ですか?その時はそうですね。 

--後々は? 
そうですね、あったというかどこからが見返りというのかが判断しにくいところなので、司法の判断にお任せするしか無いと思いますけど。 

--逮捕された日のことは覚えていますか? 
覚えていますね。まあ、遅かれ早かれというのは十分に理解していましたので。でも、まさかクリスマスとは思わなかったですね。今日を選んだかみたいな感じでしたね。 

--同時に秋元被告も逮捕されたと知り、どのように思いましたか? 
僕の所に来るわけですから。贈収賄というのは、贈賄側より収賄側の方が罪が重いという知識があったので当たり前だろうと。 

--あまり弁護人の接見がなかったようですが、拘置所での生活は? 
中盤ぐらいからは週1ぐらいできてくれていましたけど、僕自身が最初、弁護人を付けていなかったので。無しでもいいかなと思っていたので。 

--それは調べに認めていたからですか? 
認めてきているのと僕自身否認していないじゃないですか。争う場所もないので、そういう意味では事務的なことじゃないですか。それだったら全然とは思っていましたね。当然、いて頂いて非常に助かっていますけども。 

--初公判が新型コロナウイルスの影響で延期になりましたが、精神的負担は感じましたか? 
保釈されてから、保釈された時点で「公判いつぐらいの予定なんですか」という質問に対して、4月下旬か5月上旬という形で伺っていましたけど、そのさなか、今回のコロナの状況になったので、初公判の日取りすら見えなくなったので。最初は当然緊張して裁判待つという形になりましたけど、それから予定の公判日から結局3ヵ月4ヵ月とずれる中でだいぶ気は緩んできましたね。恐らく携わっている多くの方がそうじゃないかなと思いますね。そういうのがあったからこそ、証人等買収みたいなことも起きたのかなと感じています。 

3000万円で証人の買収を持ちかけられた

--証人等買収事件について、持ちかけられた経緯は? 
5月ぐらいですかね。今年の5月の後半ぐらいに、4年も5年も連絡をとったことのないハワイの不動産会社の方から連絡を頂いて、どうしても紹介したい方がいると。東南アジアの不動産買いたいと。一番詳しいのはあなたしか思い当たらなかったので是非お会いして欲しいと連絡を頂いて。時期的にコロナで海外渡航できない時期じゃないですか。それなのに、額も相当な額を言っていたので、先の見えない海外にお金を投げるのは理解しがたく、最初取り合わなかったんですね。連日ご連絡頂いていて、仕方なしに一度お会いしましょうかということで、6月の上旬にお会いしたのがその接触だったという感じですね。 

--最初に会ったときは不動産の話だったと? 
完全に不動産の話で全く疑う余地もないぐらい。 

--何度目で事件の話になったのですか? 
二度目にお会いしたときにちょっと別件でお会いしたいということでお会いして、いきなり検察批判とか、僕の先輩に秋元先生の後援会に入っている先輩がいて話聞きましたけど、という感じで、ああなるほどね、という感じで。その段階でそういう接触かという形では理解しました、2回目は。3回目か4回目か記憶は定かではないですけど、それぐらいの時に現金、お金の話は出てきましたね。僕としても半信半疑なんですよね。それが冗談で言っているのか、タラレバでいっているのか、単に秋元さんの後援会の人がなんとしたいという個人的な思いでやっているのか、何も見えないじゃないですか。当然、目の前に現金があるわけでも無く、とりあえずもう少し様子見ておこうと。どこまで本気なのかと。言っていることが事実なのかのも、その段階では把握出来ていないので、それを確認するために何度もあって様子見と。 

--どういう趣旨で持ちかけられましたか? 
「共に無罪になりましょうよ」と言ってましたね。 

--現金はいくら提示されましたか? 
その時は1000万円。 

--回数重ねるごとに金額も増えたということですか? 
その都度断っているんですよ。その1000万の時もちょっと待ってくれと、良くそんなこと言えるよねと結構怒り気味で、僕がね。さすがにもうこの話しないでくださいと。もちろんそれをやりながら不動産の話も並行ではずっと進んでいたんですよ。当然、その海外の不動産だけで無く、東京の物件であったり北海道の物件であったり、いろんな話をするさなかで、合間合間で、相手はその話し出してくるという感じでした。 

--最終的に金額はいくらまで増えたのですか? 
3000万までなりましたね 

--佐藤被告はどんなことを言って3000万渡そうとしたのですか? 
2000万円持ってきたときにお断りして、持って帰られて。それでその後もう一度お会いしたときに3000万という数字。その時は現金は用意されていないですよ。3000万という口頭での数字になっていますけど。もちろん全部お断りしています。 

佐藤文彦被告(左)と紺野被告(右)

--どの段階で捜査に協力しようと思ったのですか? 
初めから話に乗るつもりは無かったので、一応話を聞いていて、一応そういう事実があったという事は記録しておこうという程度だったんですけど、さすがに現金2000万持ってきたときに本気が伝わるわけじゃないですか。ああなるほど、と。で、その持ってきたときに初めて僕も、背後に四葉ホールディングスさんであり、他数名の方、逮捕されたじゃないですか、いわゆるそういう世界のビッグネームの方達がオールキャストで出ているというのを知って、これは放置したらさらに問題になると思ったのでそれが一番強いですね。 

--まさか証人等買収を持ちかけられるとは思わなかったということですか? 
想定してなかったですね、全く。 

--本気だと分かったときの心境は? 
ドラマみたいなことは本当に起きるもんなんだなという感じですね。現金出されたときは正直そんな驚きは無かったです。キャスティングを知ったときの驚きの方が大きかったですね。なので、その段階で実際に申し訳ない言い方ですけど、秋元さん以外にもう一人黒幕がいるのかなと思っていたんです。その段階では。なぜかといえば、言ってみたらそれぞれ後ろに付いていたお二方が検挙されたじゃないですか。持ってる資産はとてつもない額の方達じゃないですか。実力もそれなりの方達じゃないですか。その方達が危険を冒して動いているわけじゃないですか。その片方の方に関しては佐藤さん介して聞いているんですけど、すごく嫌がっていて、いやいややっていると、今でもおりたいとずっといっていると聞いていたんですよ。という事は、それなりに影響力及ぼせる立場の人間が、公判を待っている人間にその力があるのかなとか思うじゃないですか、後ろにもう一人ぐらい誰かいるんじゃないかなと感じていたので、理由もありますね。 

--そこまでして秋元被告を守ろうとする人間がいた。秋元被告はどんな方ですか? 
僕は良い方と思っていましたし今も悪い人とは思っていないですよ、こういう事件ということ別でそれまでお付き合いしていた秋元さんの人間性は否定するところも無かったですし。 

--お金に汚い印象は? 
どうなんですかね、実際のところ僕らの前で見せている顔と他で見せている顔の違いを理解できていないのでそこは判断できないですね。 

--秋元被告はIR汚職事件で全面無罪主張していますが、それを聞いてどう思いましたか? 
まあ、立場上そうなるんかなっていう感じですね。それに対して憤りを感じたとかではないですけど。ただ、実際問題として、今回の事件で起訴された人ってそれなりの人数いるじゃないですか。恐らく調書書いた人もそれ以上の数、三倍、四倍、多分いらっしゃると思うんですよ。それだけ周りの方が全部事実をお話ししているのにどこまで頑張れるのかなという感じですね。立場上そういうしかかないのかなという感じもしていますけど。 

秋元司被告(48)

間違いなく「秋元被告に会っている」

--秋元被告は「議員会館で会っていない」と主張していますが? 
間違いなく会ってはいますね。

--間違いなく会っていると? 
そうですね。 

--秋元被告は会ったこと自体をなぜ否定していると思いますか? 
それは僕も聞きましたし、取り調べされているときもその話は聞きました。そこまで言っているから僕の思い違いかなと思うぐらい聞かれましたけど間違いなく会っていますね。 

--秋元被告は「便宜を図っていない」とも主張しているようですが? 
これに関しては、例えば500.com社のCEOが密室で僕たちを外した状態での面談も複数回やっているんですよ。実際、我々はメッセンジャー的立場でご機嫌伺いで足を運ぶとかそういうことが多かったので、核心的な話にいないということは多々あったので、ここは分からないですね。 

--秋元被告は「証人等買収に関与していない」とも話しているようですが?
12月、1月ぐらいに証人等買収のそれぞれのみなさんの公判が始まると思うんですけど、その人達の調書次第でしょうね。僕はそれは本当に傍観者という立場でしか無かったので。傍観者というのはおかしいですね。 

--秋元被告の指示が無ければ、証人等買収は起きなかったと思いますか? 
そうですね、私も含め皆さん大きく巻き込まれたという感じではあるでしょうね。 

--「周りが忖度しただけ」と関与否定しているが、周りが忖度した事件だと思いますか?
それは考えにくいと思いますね。皆さん他の方々の調書とか見たわけじゃないのでなんとも言えませんけど、印象的にはそうじゃないだろうという印象ではありますね。 

--秋元被告の指示で起きたという印象? 
あくまで印象ですけどね。 

--お金を使って人を動かそうとする秋元被告について、どんな印象をお持ちですか? 
苦肉の策だったんでしょうね。なんともそれに関しては。 

--そこまでして無罪を勝ち取りたいと思う理由は何だと思いますか? 
解散総選挙が近いから、それで無罪で挑みたいとか色々あったんじゃないですか。これに関しては本当に想像の域ですけど。 

--IR汚職事件は現職国会議員の逮捕として10年ぶり。事件が世間や自身に与えた影響は? 
公判でもお話しさせて頂いたように、実際その当事者として渦中にいるときは本当にビジネスの一環という感覚でしか無かったですけども、12月にこの事件が大きく発覚したときには僕自体は身柄拘束されている状態で世間とは接点がない状態だったじゃないですか。
だからリアルに体感することはできなかったんですけど、今回この証人等買収というのは、普通に報道される過程であり、事件が起きる過程であり、それで世間がどういう影響あるのかというのは、実際に外で肌身で感じたわけじゃないですか。それで社会的影響とか政治不信がどういうものなのかを改めて強く認識はしましたね。 

--秋元被告に本当のことを伝えて欲しいと思われますか? 
これ自体は多くの方が証言されているので、その多くの方の証言を元に司法判断をして頂く裁判で判断していたく事が一番ベターなのかなと思いますけどね。