難病に指定されているパーキンソン病

高島茂夫さん(68)は8年前にパーキンソン病と診断された。

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ーーパーキンソン病と診断されて?

高島茂夫さん:(2015年)
頭の中真っ白。青天の霹靂。パーキンソン病が難病だと知っていても中身は知らない。恐怖以外の何者でもない。その次に絶望感。

初めて病気についての取材に応じてくれた時、高島さんは月に1回の通院は多少の不安を抱えながらも自分で車を運転していた。

高島茂夫さん:
たぶん4年前(重症度レベル)2から3くらい。今は3から4くらい。そのくらい進行してます。

あれから4年。病気は少しずつ進行していて、今は福祉車両の送迎サービスを利用して、週に2回、リハビリに通っている。

運転手:
言葉が出なかったり、こちらが体調を聞くんですけど、返事がないとビクッとする。

ーー乗せてて危ない姿勢ある?

運転手:
ありますね。時々、そういう時ヘルパーが支える状態で

長崎県時津町にある長崎北病院のリハビリ室では数十人が同時に様々なリハビリに励んでいる。

ーー車の運転は?

高島茂夫さん:
免許返上しました。今度更新だったけど、危ないのでしませんでした。

ーー集中力が?

高島茂夫さん:
(薬の服用で)眠くなる。

パーキンソン病は、手足の震えや歩行障害等が緩やかに進行する原因不明の神経の病気。 2018年3月末現在、全国で12万7000人あまり、長崎県内では1600人ほどの患者が確認されている。

ーーちょっと一休憩しますか?

高島茂夫さん:
心が折れそう

根本的な治療法はまだなく、難病に指定されている。高島さんは、もっと早期に発見できて早く治療に入っていれば、病気の進行を少しでも抑えられたのではないかと考え、2015年に患者会を立ち上げた。

互いに悩みを打ち明ける「難病カフェ」

長崎北病院で、2年前から月に1回開かれている「難病カフェ ぱれっと」だ。

主催しているのは、高島さんが会長を務める「長崎パーキンソン病患者と家族と支援者の会」で、この日は患者や支援者、病院のスタッフなど10人あまりが参加した。

パーキンソン病は、震えや転びやすいなどの症状があっても、なかなか病名がわかるまでには時間がかかる。

高島茂夫さん:
7年ぐらい診断受けてない、かなり不安だったでしょう?

参加者:
最初の頃、自分が自覚してないから怖さも知らないし、さほど不安も感じなくて。

高島茂夫さん:
ヘルニアと診断され手術までして、1年後パーキンソンでした(という例も)。

原因がわからず、治療法が確立していない難病の患者たちが病気の違いを超えて互いに悩みを打ち明けあったリ情報を共有する「難病カフェ」。この病院の理解と協力を得て、今回で22回目を数える。

難病の患者:
難病を持っているとひきこもりになりやすい。自分で考え込んでしまう。そういう気持ちがカフェにくると同じ仲間がいる。楽しくなりますよね、一人じゃないという仲間意識が生まれる

パーキンソン病の患者:
来て良かった。皆さんと同じ病気じゃなくても、違う病気で苦労している方たちの思いを聞いて、自分もおしゃべりができていいなと思いました。

医療費助成の対象となる国指定の難病は300を超え、病気ごとに悩みも異なる。それでも高島さんは、孤立しがちな難病患者や家族が、病気の枠を超えて悩みを打ち明けあったり情報を交換できる場を設けることで、少しでも精神的な支えになればと考えている。

高島茂夫さん:
今日の患者さんのように、初心者が来られて彼らがほっとする姿を見て「ああよかったな」と安心する。私が超えようとしていた時期を自己投影する。

(テレビ長崎)

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