新型コロナウイルス対策で自宅など離れた場所で働くテレワークが広がる中、「ワーケーション」という働き方が注目されています。余暇を楽しみながら働く、ワークとバケーションを掛け合わせた造語ですが、地域活性化のきっかけとして期待が広がっています。

豊かな自然に囲まれた丸森町。町内の宿泊施設に泊まっていたのは、東京に本社がある企業「内田洋行」の社員とその家族です。早朝から地域貢献としてごみを拾いながら、丸森の自然を楽しんでいました。施設の近くにある展望台に上ると、みんなで記念撮影。

参加した社員

「東京と違って、川や自然がいっぱいあって朝や夕方に歩くと気持ちいいです」

午前9時、宿泊先に戻ると、そのままパソコンに向かいます。彼らが行っていたのは「ワーケーション」。観光地や自然の中で余暇を楽しみながらテレワークをする、コロナ禍で注目される新しい働き方です。

参加した社員

「普段オフィスの中で仕事をしているので、森林ウオークをすることで、リフレッシュの時間が取れて働きやすい」

参加した社員

「仕事の効率もよくなり、通勤もないので、ぜひワーケーションをやっていきたいと思います」

新型コロナウイルス対策で広がったテレワーク。内閣府の調査では、テレワークを経験した東京23区で働く人のおよそ9割が「今後もテレワークをしたい」と答えました。

県内でもその機運をとりこもうと、9月、企業や団体、自治体でつくる、ワーケーションの協議会が設立されました。

宮城ワーケーション協議会 櫻井亮太郎 共同代表

「宮城県内には温泉・旅館・貸別荘・キャンプ場など、多くの宿泊施設がすでにある。この宮城県の宿泊施設をワーケーションに適した環境に進めていきたい」

テレワーク先として宮城県を売り込み、観光の活性化につなげることも狙いです。

宮城ワーケーション協議会名誉会長 村井嘉浩 知事

「これからテレワークが非常に進んでいくと思う。ワーケーションを観光の核にしていきたい」

すでに動き出した施設もあります。蔵王町の別荘地「蔵王山水苑」。およそ80万平方メートルの敷地に、さまざまな別荘が立ち並んでいますが、バブル崩壊後は住宅を手放す人が増えていました。

5年前から活性化の一環として、空き家となっていた別荘を宿泊施設として貸し出す事業を開始。最近は、ワーケーションのために利用する客も増えているといいます。

別荘の中は1人でも大人数でも快適に過ごせるよう、大型テレビや広いキッチン、寝室などの設備が整えられていて、マッサージチェアも備え付けられています。部屋の窓を開けると…。

相澤国弘さん

「川が下を流れていて、緑がすごく豊かで、自然景観も素晴らしいので仕事もはかどるし、プライベートで使われるときも、とてもリラックスできると思います」

蔵王山水苑には、このような宿泊施設が20棟あり、大自然に囲まれながら仕事をすることができます。

相澤国弘さん

「こちらは足湯なんですけど、別荘地の中の廃温泉を活用して足湯にして、フリーWi-Fiなので、ここら辺全部で働いてもらっています」

足湯に浸かりながら仕事をする、蔵王ならではの優雅な働き方も…。

山水苑は今後、使われていない施設をさらに活用し、全国から蔵王町にワーケーションを希望する人を集めようと考えています。

みやぎ蔵王別荘協議会 相澤国弘 事務局長

「地域で休眠している施設。そういったものを再生しながら、ワーケーションで訪れた人が体験コンテンツとしても使えるような、そういうエリアを作り、より稼働をあげていきたいと思っています」

新型コロナウイルスで大きく変わった、私たちの働き方。ワーケーションの普及は、魅力ある観光地や自然を抱える県内にとって、大きなチャンスとなりそうです。