自民党の苦しい戦いが続いています。
大乱戦の東京選挙区、欠員の補充を含めた7議席を争いました。

「追い風」に乗った参政党のさやさん、「逆風」を乗り越えた自民党の鈴木大地さん、共産党・現職の吉良佳子さん、国民民主党の牛田茉友さん、公明党の川村雄大さん、国民民主党の奥村祥大さん、立憲民主党の現職・塩村文夏さんの7人の当選が確実となりました。

一方、元衆院議員の無所属・山尾志桜里さん、日本維新の会の元職で前政調会長の音喜多駿さん、そして自民党のベテラン武見敬三さんは落選確実です。

自民党の公認をめぐり「保守分裂」となった和歌山選挙区。
“二階王国”がついに崩れました。自民党・新人で二階俊博元幹事長の三男・二階伸康さんが落選です。

”二階ファミリー”のライバル地元選出の世耕弘成議員の全面サポートを受けた無所属の新人・望月良男さんが当選。
無党派層のほか、一部の自民支持層や公明支持層からの票を積み上げ、議席を奪いました。

二階さんは、ガソリン価格の引き下げや、中国へのパンダ貸与の働きかけなどを訴えましたが、票を固めきれませんでした。

アスリート候補者が話題となった新潟選挙区。
立憲民主党の現職・打越さく良さんが、シドニーオリンピック・競泳の銀メダリストで、自民党の新人・中村真衣さんを相手に勝利しました。

打越さんは、知名度不足が課題でしたが、立憲の「ネクスト法務大臣」として具体的な政策を打ち出したアピールに加え、去年の衆院選の際に県内で全勝した立憲議員の強力なバックアップもあって2度目の当選を確実にしています。

激戦となった山梨選挙区は、国民民主党の新人・後藤斎さんが、3度目の当選を目指した自民党の森屋宏さんを下し、初当選が確実となりました。

衆院議員を経て山梨県知事を務めた後藤さんは、事前のアンケートでは、最も訴えたい主張を「手取りを増やすこと」としていて、無党派層に支持を広げ、政権批判票を取り込むことで国政へと返り咲いた形です。

青森選挙区では、立憲民主党の福士珠美さんが初めての当選を確実にしました。
地元テレビ局で、アナウンサーや報道記者を務めた経歴を持つ福士さん。

「伝える立場にいたが変える立場として政治に挑みたい」と臨んだ選挙戦では、物価高対策などを訴え無党派層からの支持を広げました。

自民党の現職・滝沢求さんは選挙戦では「青森創生」を掲げ、政治の安定を訴えるとともに、環境副大臣などを務めてきた実績をアピールしましたが、及びませんでした。

秋田選挙区では無所属の寺田静さんが、2回目の当選を確実にしました。

1期限りと決めた議員の仕事に再び挑戦したのは「唯一の秋田選出の女性国会議員」としての責任。

「生活者の実感」を武器に、対話を重ねることで幅広い世代から支持を得ました。

自民党の元職・中泉松司さんは6年前の選挙で落選したあと、家業の農業に従事しながら国政返り咲きを目指していましたが、及びませんでした。

自民の党員比率が全国1位の自民王国・富山選挙区に激震です。
国民民主党の新人で元民放アナウンサーの庭田幸恵さんが、自民党の現職で72歳のベテラン堂故茂さんから議席を奪い、当選を確実にしました。

庭田さんは「もっと手取りを増やす夏」を訴え、自民党の牙城を崩した形です。

大接戦となった大分選挙区。

立憲民主党の元職・吉田忠智さんがデッドヒートの末、「リベンジマッチ」を制しました。

自民党の現職、白坂亜紀さんは「地方創生」を重視し選挙戦を展開しましたが、おととしの補欠選挙での勝利が一転、苦杯をなめる結果となりました。

岐阜選挙区は、空手の世界選手権を4連覇したレジェンド自民党の若井敦子さんが立憲民主党の新人・服部学さんを下し、初当選を確実にしました。

岐阜の現職参院議員が裏金問題で在宅起訴されるなど、自民党への逆風が吹き荒れましたが、野田聖子議員らの支援で保守王国の議席を守りました。

自民党の比例代表は、「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さんの弟・中田フィッシュさん、「筆談ホステス」として知られる斉藤里恵さん、そして、不記載問題で批判を受けた長尾敬さんは、いずれも落選が確実となっています。

続いて大躍進の参政党です。
現職で元フリーアナウンサーの梅村みずほさんが比例代表で当選確実です。

参政党がすでに獲得を決めた議席数は6となっています。

参政党旋風は愛知選挙区でも吹き荒れています。

事前のアンケートでは、外国人問題を訴えたいとした参政党の新人・杉本純子さんが当選を確実にしました。

他の3議席については、立憲民主党の田島麻衣子さん、国民民主党の新人・水野孝一さん、自民党の現職・酒井庸行さんが当選を確実にしています。

2議席を争う茨城選挙区は自民党の現職・上月良祐さんと参政党の新人・桜井祥子さんの当選が確実となりました。

経済産業省の官僚などを経て、2019年の参院選で初当選を果たした立憲民主党の現職、小沼巧さんは2期目を目指しましたが、届きませんでした。

福岡選挙区でも“参政党旋風”です。

参政党の新人、中田優子さんが「消費税の減税」や「子育て支援」を訴え当選確実。
「日本人ファースト」を掲げた参政党旋風に乗り、票を集めました。

また、自民党の現職、松山政司さんも当選確実。

残る1議席をめぐり公明、立憲民主の候補が激しい争いを展開しています。

FNN
FNN