第27回参議院議員選挙は7月20日に投開票され、長野県選挙区では立憲民主党の現職・羽田次郎さん(55)が当選しました。暮らしに直結する政策を訴え、議席を守りました。
■接戦の1人区 野党が死守
長野県区は全国でも注目された「接戦の1人区」。与野党とも重視する中、羽田さんが議席を守りました。共産、社民との候補一本化に加え、国民民主の支援も受け、野党共闘の成果とも受け止められます。
政府の物価高対策への不満を背景に、羽田さんは「食料品の消費税ゼロ」などを訴え、支持を集めました。羽田さんは「私たちの方が訴えられた結果だと思う」と分析。政権交代を目指し「野党のハブとして汗をかいていきたい」と語りました。
■自民・藤田氏、涙の敗戦「結果で応えられず申し訳ない」
自民の新人・藤田ひかるさんは議席に届かず、「私に1票を託していただいた皆様、ありがとうございました。申し訳ない」と涙ながらに語りました。
県連初の女性候補として刷新感を打ち出し、安全保障や若者・女性支援を訴え、消費税減税などの野党の政策を「聞こえはよいが持続性に欠ける」と批判しました。
与党の立場から責任ある政治を訴えましたが、党への逆風に加え、2月の擁立決定という出遅れが響き、議席獲得には至りませんでした。
■「台風の目」参政党・竹下氏も議席届かず
参政党から立候補した新人・竹下博善氏も落選が確実となりました。植木職人として働きながらの初挑戦で、消費税廃止や米農家の支援など独自色の強い政策を訴えました。
党勢の伸長に一定の手応えを感じた竹下氏は「自分のできる力を振り絞ってきた。結果は積み重ねの表れ」と振り返りました。神谷代表が応援に入った際には、長野駅前に700人が集まるなど、存在感を示しました。
■焦点は「暮らし」 物価高への関心高く
県世論調査協会による公示前の調査では、有権者の約7割が「物価高」を主要な争点に挙げました。次いで「景気・雇用」「消費税」も約3割に上り、暮らしをどう支えるかが今回の選挙の大きなテーマとなりました。
コメや食料品の価格高騰が続く中、日々の生活を守る政策が票の行方を左右したとみられます。