パレスチナ自治区ガザの当局は19日、食糧支援を求めてきた市民にイスラエル軍が発砲し、32人が死亡したと発表しました。
ガザ地区では、こうした軍事作戦の影響で物資の搬入も制限され、人道上の懸念が増しています。
7月上旬まで現地で支援活動をしていた日本人が深刻な現状をFNNに語りました。
ガザ地区では、イスラエルが支援物資の搬入を制限しているため食料が足りていません。
国連機関は、子どもの10人に1人が栄養失調だとしています。
7月3日まで現地で支援活動をしていた国境なき医師団・村元菜穂さんは、アメリカが主導する物資の配給所では発砲による犠牲者が相次いでいますが、市民は決死の覚悟で食糧を求めに行くと話します。
国境なき医師団・村元菜穂さん:
飢えで死ぬのか。どうしてでも行って少しでも小麦粉をもらって自分の子どもや妹とかにご飯を与えられることができるか、2択っていう感じ。
また、燃料不足も深刻です。
ガザでは、海水を飲料水に変える機械を使って水を確保しています。
しかし、燃料がなくなれば水を配ることさえできなくなるといいます。
国境なき医師団・村元菜穂さん:
何千という方々が私たちが配っていた水に頼っていたものがなくなってしまう。このままの状況が続くと、本当に7月を越えられるのか(分からない)。
こうした中、イスラエル軍は現在行われている停戦交渉でイスラム組織ハマスに譲歩を迫るため攻勢を強めています。
国境なき医師団・村元菜穂さん:
明日、隣で寝ている妹や子どもが生きているかどうかなんて分からない。何の保証もない。ガザに住み、ガザに生まれてしまった彼らには何の罪もない。
停戦の合意が見通せない中、ガザ地区ではこれまでに市民も含めて5万8000人以上が亡くなっていて、市民生活は悪化の一途をたどっています。