国の登録有形文化財にトロッコ電車のビューポイントとして親しまれている黒部市宇奈月温泉の旧山彦橋が登録されることになりました。
これは8日に開かれた国の文化審議会で決まったものです。
「旧山彦橋」は大正13年、1924年、電源開発のための資材や作業員を運ぶ専用軌道として建設され黒部川の水力発電の歴史を物語るシンボルとなっています。
長さは約93メートルの「スパンドレルブレースト・アーチ橋」で橋脚を設けず、黒部川を一気にまたぐ設計が特徴で、同じ形式の橋梁としては日本で最も歴史があります。
旧山彦橋は鉄道橋としての役目を終え現在、遊歩道として利用され、黒部峡谷をバックに走るトロッコ電車を撮影できるフォトスポットとして人気を集めています。
この旧山彦橋が登録されると、県内の建造物としての登録有形文化財は80カ所165件になり、黒部市での国の登録文化財は、今回が初めてです。
黒部宇奈月温泉旧山彦橋が国の登録有形文化財へ
建設当時は「黒部橋」と呼ばれていましたが、列車の音が山彦となって温泉街に響くことから、「山彦橋」と呼ばれるようになったと伝えられています。
県内でも、今年3月も富山市の「吉村家住宅主屋」や砺波市の「三郎丸蒸留所」などあわせて2か所4つの建造物が登録されました。
建設から50年以上が経った貴重な建造物を登録するもので、国の文化審議会はきょう、黒部市にある「旧山彦橋」を新たに登録するよう、文部科学大臣に答申しました。