FNN「Live News days」では、「子どもを守ろう」と題して、子どもの性被害について、シリーズでお伝えしている。

ここ数年、教師によるわいせつ犯罪が大きな問題となっている。

直近の1年間で処分を受けた教職員は、過去最悪の282人にのぼるが、これを処罰するには、実は大きな法律の壁が立ちはだかる。

ある女性の証言から、問題点を探った。

デッサンする美術教師。

今から25年以上前にこの絵を描いた16歳の少女は、当時28歳のこの美術教師から性暴力を受けていた。

現在43歳の石田郁子さんは、中学3年生の時、高校受験に向け指導を受けていた教師から、初めてわいせつ行為を受けた。

石田さん「美術館に行った帰りに先生の家につれて行かれて、キスをされて、横にされて触られたり...それが最初の被害です」

その後、性的行為を強要されるなど、性暴力はおよそ5年にわたって続いた。

石田さん「自分がされていることが良いことか悪いことかもわからない。先生の言うことだから聞いていたというか。(怖くて逃げたいという感情は?)その発想もない。はかりが振り切れてしまうような感じ」

現実を受け止めきれず、心にふたをしてしまっていた石田さん。

それが性暴力だったと気づいたのは、大人になってからだった。

石田さん「これが知らない人からであれば、もう少し早く気づけたんじゃないかと。先生は未知のことを教える人なので、苦痛をともなう経験を強制できてしまう」

暴行や脅迫をともなわず、優位な立場を利用した性犯罪は、被害者が同意したとみなされ、日本の法律では罪に問うのが難しい。

刑法の改正を求める菊間千乃弁護士は、刑法の問題点を指摘する。

菊間弁護士「『君をいい子にするためのことだから』とか、洗脳のように言って、上の立場の者が自分の意のままに性犯罪を犯しているのが実態。全く『同意』とは言えない」

菊間弁護士らは、教師や保育士などが、暴力を使わず、自らの影響力を使ってわいせつ行為や性行為をした場合でも、処罰の対象となるよう刑法の改正を求めている。

菊間弁護士「暴行脅迫要件は廃止して、『不同意』ならばそれは性犯罪ですと、強制性交等罪になりますとしましょうと。(被害者が)『こんなに声をあげたのに』って日本の刑法に絶望することがないように、きちんとつないでいけるようにしたい」

教師など、対等でない関係性を利用した性行為を処罰できるかどうか、今まさに法務省で検討が行われている。

また、インタビューに答えてくれた石田さんのように、自分が受けた被害に、大人になるまで気がつかない例が多い背景には、性教育の不足が指摘されている。

30日、内閣府では、子どもへのより踏み込んだ性教育について検討が始まった。

小学校には、「水着で隠れる部分は触らせない」、中高生には、「SNSやデートDV」の怖さなど、子どもの年齢に応じた啓発が検討される。