「基本的なメンテナンスで使うのは中砥石一つで十分ですが、表側が中砥石で、裏側が荒砥石や仕上げ用砥石の『コンビ砥石』があるとより便利です。荒砥石は1mm程度以上の深い刃こぼれの修正に便利ですし、仕上げ用砥石はより細やかなメンテナンスに向いています」

包丁を研ぐ頻度は月に1~2回が目安になるそうだが、状況によって変わるので一概には言えないという。

「包丁の切れ味の落ち方は包丁の種類や使い方や使用頻度、包丁の元々の形状や素材などで変わります。また使う砥石によっても研ぐ頻度は変わってきます」

ちなみに、切れ味が落ちている目安は、「トマトの皮に触れた瞬間にスッと刃が入らない状態」だという。

シャープナーや外注という選択肢

砥石より気軽に研ぎたい場合は、溝に包丁を数回通すだけで包丁を研げる「シャープナー」と呼ばれる製品もある。

シャープナー
シャープナー

「シャープナーは誰でも簡単に包丁の切れ味を取り戻せる道具で『頻繁に砥石を使う時間はない』という方にはお勧めです。日常のメンテナンスには便利ですが、砥石と比べると簡易的なものなので、併用が望ましいです」

使用頻度は週に1回が目安になるという。

ちなみに包丁研ぎを請け負う民間業者のサービスもある。ただし、「包丁研ぎには免許や資格のようなものはなく、仕上がりのクオリティにも差がある」とのことで業者選びには注意が必要だ。また持ち運びには銃刀法の制限があるため、ケースに入れ、目的地を説明できるようにするなどの対策を。

切れ味で料理が変わる!

包丁の切れ味は料理の味、見た目、調理効率などに幅広い影響を与えるという。