逆効果に?注意したいポイント5つ

(1)砥石と刃の間にできる角度は一定に(両刃の場合)

「砥石と刃の間にできる角度がブレると刃先が丸くなってしまいます。三徳包丁などは、砥石に対して両面とも15度の角度で研ぐのが理想で、包丁と砥石のあいだに『小指の先が入るくらい』が15度の目安です。大事なのは15度から1度もズレないことではなく、研ぎ終わりまで角度をブレさせないことです」

角度がブレないように注意する(画像提供:貝印)
角度がブレないように注意する(画像提供:貝印)

(2)バリが出るまでしっかり研ぐ

「初めて包丁を研ぐ方は、数回こすって終わりにしてしまい、きちんと研げていないことがあります。刃先に触ったときに、髪の毛1本分くらいのジョリッとした金属のそり返り(バリ)が出ていれば、十分に研げた目安といえます」

(3)両側をバランスよく研ぐ

「片側をバリが出るまで研いでも、反対側は軽くこすって終わりにしてしまう方も見受けられます。そのような研ぎ方ですと、次第に両刃の包丁が片刃のようになってしまい、癖の強い包丁になったり、包丁の種類によっては中心部の『刃』になる金属が露出せず、全く切れない包丁になってしまうこともあります。反対側もバリが出るまで研ぎましょう」

(4)バリをきちんと落とす

「バリが残ったまま包丁を使うと、バリが邪魔をして切れ味が出ません。また、食材との摩擦でバリが食材に紛れ込んでしまうので不衛生です。なお昔は新聞紙でバリを落とすのが定番でしたが、ご自宅に新聞紙がなければ、別の紙や布などの硬くない素材でこそげ落としても大丈夫です」

(5)面直し砥石で砥石の平面を保つ

鉛筆で砥石に線を引き、線がなくなるまで削る(画像提供:貝印)
鉛筆で砥石に線を引き、線がなくなるまで削る(画像提供:貝印)

「砥石は継続的に使用すると中央部分が凹んできます。そして、平らでない砥石で包丁を研ぐと、やはり刃先が丸くなってしまいます。そのため砥石を平らにならすための『面直し用砥石』を使って、砥石のメンテナンスも行いましょう」

砥石の選び方

なお、砥石にも種類があり、粒子の荒い順(よく研げる順)から「荒砥石」「中砥石」「仕上げ用砥石」の3種に大別できる。