石川県・能登半島を舞台に地域メディアのあり方を問うドュメンタリー映画が15日、広島市で上映され、監督が、舞台挨拶で作品への思いを語りました。

15日、広島市西区の「横川シネマ」で上映された映画「能登デモクラシー」。
舞台は、能登半島地震の被災地でもある石川県・能登半島の穴水町。
テーマは、「過疎」と「民主主義」です。

その町で、行政や政治家などの「権力側」に目を光らせ、「手書きの新聞」を発行する80歳の元教師を軸に、過疎化が進む地域社会の「揺らぎ」と、再生への町の歩みをカメラは追います。

作品を手掛けた五百旗頭幸男監督は、これまでも、地方議会の不正などに焦点を当てたドキュメンタリーを制作。舞台挨拶では、取材時の葛藤を吐露しました。

【五百旗頭幸男監督】
「僕のファクトに対してどういう風な対応をするかによって、彼の政治的な本質だったり果たして本当に彼が変わることができるのか、町が本当に町民にとって開かれた町に変わることができるのかという部分が見えると思うから、そこを撮りに行きたいと言いました」

【映画を見た人(50代)】
「裏金のところとかは広島も同じような問題があったので、ただ広島と違って今後改善するような感じが見て取れたので、監督も言っていましたが、希望なのかと思った」

上映会のあとは五百旗頭監督に対話を求める観客が長い列を作っていました。

【五百旗頭幸男監督】
「当然、穴水町にはこの作品で描かれたようないろんな問題がありますが、民主主義を構成するうえで一番大事になるもの、基盤になるものが備わっているなとぼくには感じていて、そこも広島の方々にも受け止めてもらいたいなと思っています」

映画「能登デモクラシー」は広島市西区の横川シネマで来月11日まで上映される他、呉市や尾道市でも上映される予定です。

■スタジオ

メディアが多様化をしていく時代の中にあって、新川さん、この地域メディアのあり方というのはどうご覧になりますか?

【コメンテーター:JICA中国・新川美佐絵さん】
私、五百旗頭監督の最初の作品「はりぼて」を拝見しました。地域の話だと、どうしてもそこの人たちしか対象にならないような気がしてしまいつつ、残念ながら地方議会の不正というのは全国にあることだと思うんですよね。だから、石川の例を通して、私たちの周りの生活を見るような機会にもなったので、すごく私は今回の作品も楽しみです。この五百旗頭監督の作品は、普通に映画としてもすごく楽しいんです。ドキュメンタリーは長くて難しいだけのものもたまにありますが、私この作品、楽しみにしたいと思います。

テレビ新広島
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