親しい同級生が目にした異変

千葉県野田市で小学4年生の栗原心愛さん(10)が虐待を受けたあとに死亡し、父親の栗原勇一郎容疑者(41)が逮捕された事件。
取材を進めると、心愛さんへの虐待が長期にわたって見過ごされていた実態が浮かんできた。

「(心愛さんの)背中のこことか…上のへんです。アザとかが見えて『大丈夫かな?』と思っていたけど、聞いたら話が変になるかと思って黙ってました」

「虐待っぽいのが始まったのは、お父さん(栗原容疑者)とお母さんがちょっと仲が悪くなって、(栗原容疑者が)ストレスになって子どもにぶつけたみたいな感じ。幼稚園の頃も傷が多かった」
 
こう証言したのは、心愛さんが千葉県に引っ越す前に住んでいた沖縄県時代の同級生だ。心愛さんは幼稚園の頃から度々、体にアザがあったという。

沖縄時代の同級生:
『(栗原容疑者に)裏表がある』とか、『友達の前では優しいのに、お母さんがいない時に殴ったりする』と言っていた。
『お母さんがいない時にずっと叩かれて、パーで叩いてめっちゃ痛くて、いつも泣いていた』って。

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心愛さんは小学校に対し、SOSを発していたという。

沖縄時代の同級生:
学校では1ヵ月に1回、アンケートがある。(心愛さんは)1回だけ『虐待されている』と書いていた。書いていたけど、先生は“しつけ”とか、まともに話を聞いていなかった。

取材班:
先生は調べなかった?

沖縄時代の同級生:
調べなくて、(聞き取りも)1~2分で終わらせていたから。(心愛さんの訴えを)先生も多分、信用していなかったと思う。

「長女を虐待」の申し送りなし…見逃されたSOS

当時、心愛さんが暮らしていた沖縄県糸満市には、2017年の夏に親族から「母親へのDVや心愛さんへのどう喝があり、不安」という相談が寄せられていた。
この相談を受け、学校は心愛さんの状況を観察するとともに、父親である栗原容疑者との三者面談を実施したが、虐待の事実は確認できなかったという。
その後、市が家庭訪問を2度打診した際には、栗原容疑者が直前でキャンセルして延期になったという。

この直後、栗原容疑者は夏休みに入った心愛さんを連れ、実家のある千葉県に帰省し、そのまま事件の起きた野田市の家へと一家で移り住んだ。
そのため、糸満市は注意が必要な「ハイリスク世帯」として野田市に申し送りをしたという。

ところが、糸満市は「学校で身体的な虐待は確認されなかった」として、心愛さんについての記録は提供せず、妻へのDVなどの情報のみが伝えられたのだ。
野田市による26日の会見でも、沖縄から引っ越してきた際に虐待の話はあったかという質問に「私の方(市)では把握していない」と答えている。

なぜ同級生が気づいた異変に大人は気づくことができなかったのか。

児童相談所に19年間勤務していた山脇由貴子さんは、「すごく重く受け止めないといけない。(虐待は)子どもがどう感じているかが一番重要なんです。大人との関係を優先して子どもの発言を軽く扱ってしまうということは、ずっと繰り返されていると思う。(心愛さんは)かなりの絶望を感じたと思う」と指摘する。

死亡した栗原心愛さん

「虐待かも」と思ったら189へ通報を

島田彩夏キャスター:
東京都によると、虐待を見聞きした人のうち通報したことがある人は46%。つまり、半数以上の人が通報をためらったということなんですね。
虐待かもしれないと思ったら、189番(いちはやく)の児童相談所全国共通ダイヤルに連絡してください。
お近くの児童相談所に24時間つながり、匿名でも大丈夫です。


SOSが見逃され、命を救うことができなかったということを防ぐために、異変を感じた際には、躊躇せず児童相談所に連絡してほしい。

(「プライムニュース イブニング」1月30日放送分より)