県内バス5社と熊本市電などで利用できる半額パス、購入して使ったという方
いらっしゃったと思います。全国初の実証実験として行われたこの半額パス事業。
公共交通の利用が増え、経済効果は合わせて約2億8000万円に上ったことが明らかになりました。
【去年9月・高田晋 共同経営推進室長(熊本都市バス社長)】
「いわゆるサブスクですが、常々やってみたいと思っていました」
1枚2500円の専用ICカードを購入し会員になると、県内全域で路線バスや
熊本市電、電鉄電車を半額で乗れる『渋滞なくそう!半額パス』。
熊本県と熊本市の補助を受け今年2月末までの5カ月間、実証実験が行われました。
平日は午前9時以降、土・日・祝日は終日利用可能としたこの半額パス、会員1500人が目標でした。
【共同経営推進室 今釜 卓哉さん】
「1500人に売れれば〈御の字〉としていたが、目標を大幅に超える約5倍が購入し約8000人という結果」
これにより、まずバス利用者が前の年より約9万2000人増えました。
その効果についてですが、期間中の車の利用台数がのべ約10万台減少。
その交通量減少効果を金額にすると約1億円としました。
また期間中の買い物などの消費効果は約1億8000万円で、経済効果は合わせて
約2億8000万円に上ったということです。
【共同経営推進室 高田 晋室長(熊本都市バス社長)】
「意外と車から転換した人が多かった。〈こんなにか〉とびっくりした」
利用者アンケートによると期間中「公共交通の利用が増えた」と回答した人のうち42%が自家用車から転換していました。
今回の半額パスの実験費用約8400万円のうち7000万円近くが熊本県と熊本市の補助金で賄われたということです。
交通事業者は、いずれも経営難、乗務員不足が続いていて、「今回のような実験を
事業者だけで行うのは難しいが、公共交通の潜在能力を引き出すことができた」と総括。今後も利用促進の取り組みを続けていきたいとしています。