現代アートの魅力

自由で大胆なタッチ、既成概念にとらわれない異素材の組み合わせ。
1980年代、斬新な作品を生み出し、アートシーンに1つの革命を起こした、アメリカの画家、ジャン = ミシェル・バスキア。

ジャン = ミシェル・バスキア
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ビジネスパーソンが注目する、著作家・山口周さんは、「自分の感性で自分の思う通りの表現を応援してくれる人が出ればそれでいいじゃないかということを示してくれたのが、バスキア。非常に“ニュータイプ”的だなと思う」と話す。

著作家・山口周さん

東京・六本木で開催中の「バスキア展」には、ZOZOタウンの生みの親・前澤友作さんが123億円で落札した作品や、バブル期の日本にインスピレーションを受けたという作品も数多く展示されている。

「バスキア展」

世の中の人たちが「何を価値と感じているのか」

山口周さん:
バスキアの作品は音楽的だと思う。違う素材を1つの画面に並べたり、対照的な色合いをハーモニーとして成立させている 。

午後8時まで開催している「バスキア展」には、仕事帰りとおぼしき人たちの姿も目につく。
現代アートは、ビジネスパーソンに何をもたらすのか。

山口周さん

山口周さん:
後ろに出ている絵というのは、非常に高額で経済的価値も持っている。仕事というのは何かというと、価値を生み出すもの。今の世の中で何が価値を持つのかを知らずに、価値を作り出す仕事はできない。現代アートの作品に触れることで、世の中の人たちが今、何を求めているのか、何を価値と感じているのか、直接見られる。

意味を作れる人や組織に「高い経済的価値」が生まれる

バスキアのような、現代アートの“ニュータイプ”のアーティスト。
彼らのように、「役に立つ」より「意味がある」という価値をつくれる“ニュータイプ”の感性は、これからのビジネスの世界でも重要だと、山口さんは言う。

山口周さん:
意味を作れる人や組織には、高い経済的価値が生まれるというのが今の世の中なのかなと思う。絵画は役に立たない。アートには意味しかない。

では、“ニュータイプ”でいるために必要なことは。

山口周さん:
わかろうと思わなくていい。“Don't think.Feel”なんです。アートを見に行って、そこから毎回、何かをくみ取ってこなくちゃいけないと考えすぎると、ちょっと窮屈。何もくみ取れないこともある。静かな空間で絵と向き合う体験を何度も繰り返せば、自分が好きな絵、アートの世界のドアが開くきっかけになる一枚に出会える。あまり構えずに、好き、嫌いで全然いいんじゃないかと思う

「VUCA時代」と呼ばれる時代の変化

三田友梨佳キャスター :
ビジネスに求められる感性をアートを通じて学ぶことが広がっているようですね。

キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
アートに学ぶという流れは世界的な傾向です。例えば、アメリカですとMBAと呼ばれる経営学の修士を取る人よりも、MFAと呼ばれる美術学の修士を取る人の方が労働市場の中で価値が高くなっていたり、職場での待遇が良くなったりしています。
背景にあるのは「VUCA時代」と呼ばれる時代の変化があると思います。
「激動・Volatility」「不確実性・Uncertainty」「複雑性・Complexity」「不透明性・Ambiguity」といった4つの言葉の頭文字をとった「VUCA時代」
将来の見通しがなかなか立たない時代という意味を表している言葉です。
そういう時代においては、未来を構想する力をどれだけつけられるかということが重要だと思います。その教材の一つとしてアートが使われ、学んでいる人が多くなっていると思います。

三田友梨佳キャスター :
石倉さんは会社を経営するにあたってアートの重要性を感じるところはありますか?

石倉秀明氏:
アートに限らずビジネスの対極にあるものは非常に学ぶものが多いので重要だと思います。
個人としては、変化が多い時代だからこそ哲学とかリベラルアーツなどを通じて不変的なものに着目してそれを改めて学ぶことも大事な観点だと思います。

三田友梨佳キャスター :
モノや情報が溢れている今、アートが視野を広げるためのヒントになるのかもしれません。

石倉秀明氏

(「Live News α」10月15日放送分)